悪役令嬢と乙女ゲーム
〜そんなげーむはありません〜

はじめに…。


・このページは管理人・さかえの「『乙女ゲームの悪役令嬢』作品に出てくるような乙女ゲームは現実に存在するのか」……という意見に対し「え、しないよ!古の乙女ゲーマーの私が知る限り!」とのツッコミを、ちょっと長めに書いたものです。

<注意!>

・以下、いろいろな乙女ゲーム、および『乙女ゲームの悪役令嬢作品』のネタバレがあります。間違えて来てしまった方、内容を知りたくない方、また、かなり管理人の地が出てますので、管理人に夢を持っていたい方はお戻りください。

・セリフは基本意訳です。違ってもご容赦ください。

・内容上、くだけた表現やツッコミなどが文中に普通に使用されていますので、そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。

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 もとはといえば。2020年ごろ、ネットで「乙女ゲームの悪役令嬢に転生して……」などという漫画の広告を、何度か見たことが始まりで。

 それで「乙女ゲームの悪役令嬢」を認識したためか、その後、おそらく同じ広告を見た人や、スマホの漫画アプリこと『マガポケアプリ』で、その手の漫画……いわゆる『乙女ゲームの悪役令嬢に転生する漫画』のコメントなどで。ある種のコメントが、目につくようになったのです。

 そのコメントとは

「この作品のもとになるような乙女ゲームは、果たして現実に、実際に存在しているのか」

……で。

 で、それを見るたびに。

「え、ないよ!少なくとも古の乙女ゲーマーである私が知る限り、こんな乙女ゲームはどこにも存在しないよ!」

……と思っていたので。

 ……なんとなくそこらへん、自分のために一度文章でまとめてみようかなーと思ったのが、このページになります。


 ただし、前提として。私がプレイ、あるいはプレイせずともチェックし、ある程度内容を知っている、語れるほどの乙女ゲームは、乙女ゲーム初期からプレイステーション2(以下PS2)時代、だいたいですが西暦1994年から2010年ぐらいまで、となっていて。ニンテンドーDS、プレイステーションポータブルやPSVita、パソコン、ソシャゲ・スマホアプリなどの乙女ゲームには、それほどくわしくないために。……ある程度ネット検索などで確認したうえで書いてはいますが、扱う乙女ゲームのタイトルは、PS2時代がメイン、ということを、ご了承のうえでお願いします。

 さて、それでは本題に入りますが。

 あくまでも私が「主人公がプレイ済みの乙女ゲーム……の世界の、悪役令嬢に転生した」……設定の漫画をいくつか読んだ結果ですが。それらのいう「主人公が転生してしまった乙女ゲーム」には、だいたい以下の要素があります。

「少なくとも悪役令嬢に転生した主人公と、主人公キャラに転生したプレイヤーがいるぐらい、それなりに売れている、家庭用ゲーム機でのゲームである」

「洋風かつ現代ではなく、ファンタジーに近い、中世から近世な世界観で。主人公と結ばれる可能性のある複数の男性こと攻略対象キャラ……の他に、悪役令嬢という存在がいる」
「悪役令嬢は主に嫉妬から、主人公に対して数々の嫌がらせを繰り返す」
「メイン攻略キャラと悪役令嬢は婚約者である」
「主人公がメイン攻略キャラとエンディング条件を満たした場合、エンディングor後半のクライマックスにて、全員がドレスアップした状態……で、悪役令嬢は婚約破棄、あるいは悪事を暴露され断罪、悲惨な結末をたどる」

 ……とまあこんな感じで。毎回どこかの誰かに「え、こんな乙女ゲーム本当にあるのかよ」と言われがちですが。……言ってしまえば「ないよ」の一言です。

 そもそも「メイン攻略キャラに婚約者がいる(いた)」というゲーム自体、私はプレイしたことがありません。過去にリアル友人に「攻略対象の一人が、主人公の姉の婚約者だった」という乙女ゲームがある……と、聞いたことがあるぐらいですし、その婚約者云々についても、世界観は現代設定、ゲーム本編中には姉が行方不明という状態で。……該当の攻略キャラをめぐって、ゲーム本編中に、主人公が婚約者としのぎを削ること自体、ありません。

 また、他のゲームでも。プレイしただけではわからない、公式書籍で初めてわかるレベルの設定としては、攻略キャラに婚約者がいた可能性……も、ないことはないですが。その婚約者が、顔やプロフィールありで出てきて、ゲーム内で妨害レベルに絡んでくるようなゲームは、私が知る限り、ありません。

 そして、婚約者云々の話はおいたとしても。悪役令嬢のイメージに近いと言えばそう言えなくもない「乙女ゲームにおける、主人公のライバルにあたる女性キャラであり、主人公のゲームの進め方によっては、主人公の攻略対象だった相手と結ばれる」……という「ライバル」キャラ。

 それは確かにいるのですが、だいたいにおいて「シリーズの……最初の方にはいたよね」程度。嫌がるプレイヤーが多かったのか、それとも『ライバルの女性キャラよりメインの攻略キャラに力入れろよ』などと手間がかかるわりに不評で削ったのか、公式の意図は分かりませんが……とにかくシリーズを重ねるごとに、乙女ゲームや恋愛要素のあるゲームでは、その「ライバル」という存在すら減っている状態。……ましてやライバルをエンディングやラストのクライマックスで、断罪し、悲惨な末路に陥れるゲーム自体、少なくとも私がプレイした家庭用ゲームソフトでは、ありません。

 個人的な好みで言えば、中には悲惨な末路と言わないまでも、断罪して吠えヅラぐらいはかかせたかった、あいつホント嫌い、ムカつく……と思い出すだけで言いたくなるぐらい嫌いなキャラも、ぶっちゃけいたりはするのですが。……残念なことに、その該当キャラに、該当ゲーム内でそんなイベント、一つとしてありませんでした。……ちっ。

 とまあ、さくっと言えば、話はここで終わりなのですが。……せっかくなので、ゲームのタイトルを出しながら、比較的悪役令嬢……に近いキャラが出る、あるいはその要素はあると言えばあるかなーなゲームについて、語ってみたいと思います。


 まず、家庭用ゲーム機でプレイできて。多くの売上がある人気作品、シリーズ化やメディアミックスされていて、乙女ゲームのファンなら、少なくとも名前だけは知っている……ような、現実に有名な乙女ゲームといえば何があるか、という話ですが。

 元祖乙女ゲーとも言える、現コーエーテクモが出しているネオロマンスシリーズこと「アンジェリーク」「遙かなる時空の中で」「金色のコルダ」、ときめきメモリアルを出したコナミが出している「ときめきメモリアルGirl's Side」「耽美夢想マイネリーベ」。それから「うたの☆プリンスさまっ♪」「薄桜鬼」「Starry☆Sky」「AMNESIA」。およびこれらを本編とする外伝ソフトとファンディスク。……あとは原作ありですが「テニスの王子様」「12歳。」かな、と思います。

 ……『乙女ゲーム』が出始めた、そもそも選択肢がほぼなかったころからの私の個人的な記憶と、あとはネット検索で2020年ごろまでの乙女ゲーム売上ランキングを確認したうえですが、だいたいこのあたり。

 そしてこれらの中で、世界観的に本編が洋風要素強め……に当てはまる、といえば「アンジェリーク」と「耽美夢想マイネリーベ」のみ。

 さらに「アンジェリーク」と「耽美夢想マイネリーベ」、この二つの乙女ゲームには、悪役令嬢……とまでは言わないまでも。主人公のライバル、主人公のゲームの進め方によっては、攻略キャラと結ばれる……こともある女性キャラが、存在し。比較的「主人公が悪役令嬢に転生した乙女ゲーム」にイメージが近い部分もあり。

 実際「悪役令嬢作品のもとになるような乙女ゲームは、果たして現実に、実際に存在しているのか」という質問に対して、このあたりの名前を出してる人を、何度か見かけたことがある状態。……というわけで、私としてもプレイ・コンプ済でそれなりに語れる、この二つについて、語りたいと思います。


 まずは「アンジェリーク」。アンジェリークはシリーズ化されていて、本編だけでも「1」「2」「トロワ」「エトワール」とありますが、主人公のライバルキャラが出てくるのは1と2。……細かく言えば最新作の「アンジェリークルミナライズ(公式通称アンミナ)」でもライバルが存在するのですが、メインというか主人公とライバルの設定が現代社会人出身という設定で、悪役令嬢話、洋風ファンタジーな世界観とはだいぶ関係が薄いので今回は省略。

 さて、とにかく。アンジェリークは1では「ロザリア」、2では「レイチェル」という、主人公のライバルにあたる女性キャラがいて。どちらも主人公と同じ、宇宙の女王……になる可能性のある、女王候補。1も2もライバルのシステム的にはそれほど変わりありませんが、見た目や設定的に2のロングウェーブ金髪のミニスカギャルな「レイチェル」よりも、1の縦ロールロングヘアのドレス姿のお嬢様「ロザリア」の方が、悪役令嬢のイメージに近いと思うので。ロザリアメインで話を進めたいと思います。

 アンジェリーク1で主人公のライバルにあたる「ロザリア」。彼女は年齢と出身校こそ主人公と同じで「スモルニィ学園」出身ですが。才色兼備で家柄もよく、同じ高校と言っても普通クラス、庶民より……な主人公と違い、エリートなクラスに在籍、首位をキープ。初登場時のスペックで言えば、主人公よりも遙かに上。……プレイヤーからしても初プレイ時、攻略対象キャラは何人もロザリアに夢中、プレイヤーの操る主人公はなすすべもなく女王試験に負け、故郷に帰る……などということも、珍しくありません。

 また、ゲーム中。話しかけたロザリアに「育成(※攻略対象と共同の仕事)をするとき、つい仲のいい人のところに行きたいって思わない?」などと聞かれ「そうかも」と答えると「あんた本当にそんなことやってるの?あら、私は思っただけでやってはないわよ」などと言ったり「そんなあ」と否定しても嫌がられ。さらに勝敗を競う女王試験で、ロザリアの方が成績がいいのに「あの子最近なまいきだから妨害してしまいましょ」などと主人公の育成した数値を下げる「妨害」を行うなど、意地悪な言動がゲーム中いくつかあり。……悪役令嬢とは言わないまでも、初プレイのプレイヤーが嫌いになる要素は、十分にあるとは思います。

 とはいえ、周回するかシステムを十分に把握すれば、実はロザリアはそれほど強いというわけではなく。対抗策もあり、意地悪な言動以外は、全て主人公がロザリアにやり返すことも可能。また、プレイしていけばわかるのですが、ぶっちゃけライバルのロザリアよりも、好感度の上がった攻略キャラの暴走や、発生にランダム要素入ってるうえ、選択肢が難しい恋愛イベントやエンディングの方が、ゲーム中には対抗策が何もない分、だいぶ厄介、と気づくので。……それほど周回せず、ロザリアに負けてクリアを投げた、というプレイヤー以外は、そこまでロザリアを嫌ってる印象は薄いです。

 もちろんプレイスタイルや好みは人それぞれなので、断言はできませんが。とはいえ少なくともプレイ当時、私は「ロザリアムカつく」や「あーロザリアに負けた〜悔しい〜」よりも「(攻略キャラ名)ー!きーさーまー!」「やめろ、やめてくれ(攻略キャラ名)!私を好きだと少しでも思うなら、もう育成しないでくれ!」……などと攻略キャラに対する不満の叫びの方を多く発しましたし、プレイした当時の友人の感想も、だいたいですが同様でした。

 そして少なくとも、アンジェリーク本編にロザリアをクライマックスで断罪するイベント……などはなく。

 せいぜい途中の定期試験で「主人公とロザリア、どちらが女王にふさわしいか、の攻略キャラからの人気投票で、主人公が9対0で勝つ」など、人数云々ではお互いに何のリアクションもないけど、ロザリアの気持ちになったらだいぶいたたまれない状況はある、とか。あるいは外伝の、主人公の夢の世界設定の「不思議の国のアンジェリーク」で、先着一名様に入れず、ひざを折り涙ながらにハンカチかみしめて、いやいや〜悔しい〜などと言うロザリアが見られたりはするものの、そもそも夢オチ。なおかつ、そのロザリアも、キャラお手製のシャルロットポワールですぐ立ち直る程度。

 さらに続編ではロザリア、女王になった主人公の有能な補佐官で親友、となっていて。おまけにリメイクの「デュエット」では、ロザリアが主人公でプレイできたり、どちらが主人公でもアンジェリーク(本編主人公)とロザリア、二人の友情イベントがあったり、さらに公式漫画では「口は少し悪いけど世話焼きな親友」の位置を確立しているため。

 ……悪役令嬢転生漫画の主人公こと「悪役令嬢」のモデル要素は、まったくない、とは言えないものの。ロザリア=「悪役令嬢」や「断罪イベント」のモデル、と言うにはだいぶ弱いかな、特に「悪役」要素が……というのが個人的な印象。どこかで悪役令嬢のモデルはアンジェリークのロザリアだ!などと言われると「うーん、そうでもなくね?」と否定したくなる程度には「そうかも」な部分より、違う部分が多いかなーと思います。


 そしてある意味「悪役令嬢」の持つイメージにもっとも近いというか。できるならむしろ断罪イベント、ほしかった……と思い出してなお、個人的に思ってしまうゲームが「耽美夢想マイネリーベ」の女友達。「耽美夢想マイネリーベ」のジャンルは「美少年誘惑シミュレーション」(公式、原文ママ)

 「耽美夢想マイネリーベ」はゲームボーイアドバンスで1が出た後、1リメイクがPS2で出て。アニメ化もして、2も出たゲーム。1はときメモに近いゲームシステム。そして結局はシステムの問題……が強いのですが、主人公の女友達3人、特にその中でも「マリーン」と言うピンクのツインテールの美少女キャラは、下手したらプレイヤーの9割以上に嫌われているんじゃ……?と思うぐらいには、嫌われ・悪役要素が強いです。

 ざっくり言いますと「耽美夢想マイネリーベ」は近世、1935年ヨーロッパをイメージした洋風な世界観。オープニングで主人公は名門の子女が集まる学園「ローゼン・シュトルツ高等学園」に入学。3人の女の子グループに声をかけられ、友達になり、学園生活が始まります。

 その学園の憧れの存在「シュトラール」。それは主人公と同じ学園の生徒でありながら、国のトップに立つ、輝かしい未来を約束された、5人のエリート美少年。……主人公は自分の能力をみがきつつ、彼らをデートに誘い、評価を高め。誕生日やクリスマス、新年などの行事イベントを逃さず活用。エンディングこと卒業式のダンスパーティーで、彼らのうち1人からダンスの誘いを受ければ、告白され、見事誘惑成功、ハッピーエンド……となる形です。

 ただ、このゲーム、実はわりと難しく。「ときメモシステムなら、パラメータあげてデートしてればそれでいいんじゃないの?」と思ったら大間違い。……パラ上げとデートもたしかに必要なのですが。実は男女人気のバランスゲージこと「カリスマフレーム」というものがあり。そのバランスを5:5や9:1など、目当てのシュトラールに合わせない限り、ハッピーエンドが見られない仕様。……にもかかわらず、ゲーム内、さらに公式攻略本でさえそのキャラごとに必要なバランスについては、ノーヒント。あげくに男キャラではなく、女友達に爆弾がつき、爆発するとあることないこと言いふらされ、攻略キャラ含む全キャラからの評価が大幅に下がるため。「カリスマフレーム」をおいといても、女子の機嫌取りに終始しないといけなくて。さらに「カリスマフレーム」を考えたら、5人の攻略キャラと3人の女子、全員の評価を最大に保たないといけないこともある……と、ゲームバランスだけでも、わりと鬼畜なゲームでして。

 何より、流れ的にだいたいの人が初回は迎えるであろうノーマル、誘惑失敗エンディング。卒業式のダンスパーティー、主人公が飲み物を取りに行き帰ってきたら、女友達3人が、いるはずの場所に見つからず。あたりを探した結果、目当てだったシュトラールが、女友達と二人きりで親密にしているのを目撃。主人公はドレス姿のまま、一人寂しく帰路につく……というエンディング。……女友達なんて主人公を利用してただけで、友達でもなんでもなかった、女友達に好意を抱くことすら許さない……という公式の声が聞こえんばかりの、恐るべきバッドエンディングなのです。

 また、3人の女友達の内2人は、ほぼオープニングから目当てのシュトラールが決まっていて。エンディングまで変わらないため。仮にプレイヤーが目当てだった人とエンディングで親密にしていても、悔しいけれど女友達もずっと好きだったんだからしかたない……かも、と少しは許せる気にもなるのですが。

 「マリーン」については主人公と該当キャラの親密度が高くないときは「え、○○様?マリーン知らなーい、特に興味ないし〜」などと心から興味のない態度をしておきながら。主人公と該当キャラの親密度が高くなった途端「○○様に手を出しちゃダメよ、マリーンが先に目をつけたんだから……」などと言い始める始末。……明らかに○○様が好きなわけではない、ただ人の欲しいものが欲しいだけ。

 あげくに他の2人はエンディング前の言動で、どうやら今までもプレイヤーが見えないところで努力して、目当ての人にアプローチをしてきたらしい、と想像できるのですが。マリーンは「この媚薬をあの人の飲み物に〜ブツブツ」と、落とす手段がまさかの薬物。……いやそれ、仮に効いたとしても、相手の体は大丈夫なの……?と相手が自分の目当てじゃなくても心配になるうえ、たいてい主人公の目当てと踊ってて。あげくに主人公の目当てが他の2人の目当てとかぶっていて、バッドエンディングになった場合。マリーン、ロードするたび別の男と踊ってる。……マリーンのヤツ、本っ当に誰でもいいんだな!と公式描写がダメ押ししてくる始末です。(※スチルコンプのためロードして確認済)

 ……多少個人的な恨みで話がそれた気もしなくもないですが。このように、主人公の女友達の一人である「マリーン」は、ただでさえ終始女友達とデートに行きその機嫌を取らざるを得ない、と面倒とも言えるゲームシステムに加え。主人公の好きな人「だから」欲しがる、その手段が媚薬、しかも成功、とプレイヤーに嫌われる要素を存分に持っていて。あげくに主人公がお目当てとハッピーエンドを迎えたところで、悔しがってる姿が見られるわけでもなく。さらに実は家庭内で無視など虐待されてて……みたいな同情の余地のある生育環境でもない……と、少なくとも世界観において「悪役」要素は存分にあり。あとゲームの世界観の設定上、普通に爵位というか身分がある男爵家の「令嬢」なので。……私が知ってる中では、一番「悪役令嬢」という名の持つイメージに近いかな、という印象です。

 まあ、とはいえ。そもそも耽美夢想マイネリーベ、主人公からして女友達を一緒に下校に誘って断られたら「(チッ使えないヤツめ)」とデフォルトで呟くようなクセ強ゲーム。あと他にもマリーン、主人公とシュトラールがデートの約束したところにぶつかってきたり、爆弾が爆発すると嫌なウワサを流したりしこそすれ、嫉妬から主人公に嫌がらせを繰り返したりはせず、あと別にシュトラールの婚約者でもないので。……個人的にはマリーン「悪役令嬢」であるし、イメージとしては一番近いかな……というだけで。「悪役令嬢のモデルは耽美夢想マイネリーベのマリーンだ!」と断言できるわけではないです。……どちらかと言うと悪役令嬢主人公のときの、やべえ描かれ方してるゲームヒロインにイメージ近い、マリーン。

 いやしかし、本当、いっそ断罪イベント的なものが欲しかった……。マリーンなら未来の高官に惚れ薬こと違法薬物使った!との理由でワケのわからないことをわめきちらしながら連行され投獄されても「ざまぁ!」と思える気がするし、そこで主人公が攻略成功した相手に抱きしめられても、素直に喜べる気がする……。勝手な想像ですが。プレイ当時もネットで見かけたプレイヤーの「耽美夢想マイネリーベ買ったーこれからネタバレ見ないで初プレイしまーす!」からの「マリーン……。マリーン……!(憎しみ)」(※エンディング見た)が、もはや風物詩だったからな……。

 ちなみにノベル+ミニゲーム形式で主人公交代・私は未プレイのマイネリーベ2では、ルートによっては裏工作し、マリーンに限らず女友達の家を没落させることもできるそうですが。……あくまでおまけ要素という感じで、別にそれがクライマックスというわけではないっぽかったです。……繰り返しますが私は未プレイで、前にちらっと調べた結果なので、違ってたら申し訳ないですが。


 以上は、あくまでも私の知る限りの乙女ゲーム。そして私が読んだ「乙女ゲームの悪役令嬢に転生する」漫画内の描写から「実在する、それなりに知名度のある家庭用ゲーム機で発売された乙女ゲーム」……に、限定しての話なので。……既に発売済みの乙女ゲームでも、そこまで有名でない家庭用ゲームや、パソコン用ソフトやソシャゲアプリ、あるいは今後何かしら、悪役令嬢の出る乙女ゲームでヒット作が出てくれば、また話は違ってくるかもしれません。

 それに「乙女ゲームの悪役令嬢に転生する」という商業作品として。なるべく多くの読者から「悪役令嬢になった主人公」に共感されるため。「メイン攻略キャラと悪役令嬢は婚約者である」や「主人公がメイン攻略キャラとエンディング条件を満たした場合、エンディングor後半のクライマックスにて、全員がドレスアップした状態で、悪役令嬢は婚約破棄、あるいは悪事を暴露され断罪、悲惨な結末をたどる」などという初期設定が、よく使われている……のもあると思いますし。別にそれが悪いとは思いません。

 ただ「乙女ゲーム」というジャンル名を使いながら、無理がありすぎてどこにもない「架空の乙女ゲーム」を創作し。「乙女ゲーム」を名前しか知らない人にまで「乙女ゲームって、本当にこんなひどい話・システムなの?」と言われてるのを何度も見かけると。「乙女ゲーム」をいくつもプレイしてる、趣味で短編ゲームを作るほど好きな身としては「そんなことないです、近い要素はある乙女ゲームも少しはあるけど、だいたいすべて架空、想像上の産物です」などと言いたくなるのも正直なところで。

 つまるところ「好きな人は深くハマるジャンル」であり「ルート分岐などの説明が少なくて便利」という理由で名を使われてるだけ、別に「乙女ゲーム」である必要もないはずなのに。それでも自分のところがすべての版権を持ってるわけでもないジャンル名を、ジャンルが好きな人の目につくぐらいに客引きに利用するのであれば。……「乙女ゲーム」ファンからのひとツッコミぐらいは、許してほしいかな、と思います。……個人的な「悪役令嬢」作品の好き嫌いは別として。

2024/5/6


 ※念のため追記

 以上は、あくまでも実在の「悪役令嬢がいる乙女ゲーム」として「耽美夢想マイネリーベ」の名をあげた……までであって。「乙女ゲーム」=「耽美夢想マイネリーベ」と思うのはやめた方がいいです。「耽美夢想マイネリーベ」はまだ「乙女ゲーム」の数が少なかった、2001年の発売当時から異色の作品であり、今改めて見なおしても「乙女の夢を描いた」ゲームと言うより「女の業を描いた」ゲームと言う方がふさわしく。

 「耽美夢想マイネリーベ」だけを見て「乙女ゲームってこんなんなんだ!」などと判断するのは、ラーメンを一度も食べたことがない人が、一部マニアに大人気の激辛ラーメンを食べて、ラーメンってこんなんなんだ!と思いこむほど危険ですので、おすすめしません。……勘違いする人はそこまでいない、とは思いますが、念のため。


おまけイラスト

(※以下は
『だいたいこんなデザインと
わかればいい』
ぐらいのレベルで
公式絵を参考に
管理人が書いた
ライバルの線画です)


アンジェリーク1のライバル
ロザリア

ロザリア・デ・カタルヘナ

(アンジェリークより)


アンジェリーク2のライバル
レイチェル

レイチェル・ハート

(アンジェリークspecial2より)


耽美夢想マイネリーベの
女友達?
マリーン

マリーン・フロイライン・カーレンベルク

(耽美夢想マイネリーベ
デートの約束をした
主人公とシュトラールに
突撃したときの表情より)


2024/5/18



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