|
しげみちの恋に波風を
〜『しげみちの恋』より〜
宇宙の災厄「グノーシア」汚染が発生した宇宙船で。
乗員たちによる、グノーシアを発見するための、話し合いが行われ。
様々な過程を経て、乗員がコールドスリープされた。
……これはその、合間。
会議が終わって、夜を迎えた……夜の、船内での話。
「オレな、恋しちゃったかもしれん」
船内の共同寝室、分類ナンバーは1。
夜、立ち寄ったその共同寝室1に、しげみちがいて。
私を見るなり、急にそう話しかけてきた。
「なあなあ、わかる?
オレが好きなコ。
へへ、当ててみろって」
私は……。
・ステラ?と答えた
・夕里子?と言ってみた
・私?と言ってみた(別に親しくない)
・私?と言ってみた(しげみちと親しい)
「ステラ?」と答えた。
「あーヤッパ分かる?分かっちゃうかー。
そうなんよ、ステラいいよなあ……」
ED-1
『to be continued『しげみちの恋』』
・一つ前の選択肢に戻る
「夕里子?」と言ってみた。
「……逆になんでそう思った?」
「……可能性の……一つ……として?」
「そこまで自信なさげな答え選ぶなよ」
「……ごめん」
「いやいいけど……まあ、そりゃオレが沙明で?
さらに何も知らなかったら
声かける可能性ぐらいは、なくはない……だろうけど……」
(……しげみちまで自信をなくしかけてる……)
「と、とにかく!
正解はステラだよス・テ・ラ!」
ED-1
『to be continued『しげみちの恋』』
・一つ前の選択肢に戻る
「私?」と言ってみた。
「え、あ?
……いや、ないない。急にどうした」
「だって、しげみち
私を見るなり言ってきたから
万が一、と思って」
「いや、だとしたらオレ
いくらなんでも豪の者すぎるだろ……
唐突にたまたま会った
それも寝室でいきなり好きだ!とか……
オレ的にシュナはナイナイ、悪いけど」
「そう、よかった、安心した」
「……いや、そんな心の底から
安心した顔されても
オレ、ちょっと悲しいけどな?」
「先にナイって言ったのそっちじゃない」
「そうだけどよー
もっとこう……ああもう言っちゃうぜ!
正解はステラだよ、ス・テ・ラ!」
ED-1
『to be continued『しげみちの恋』』
・一つ前の選択肢に戻る
「私?」と言ってみた。
「!?
……え、おい。ちょっと待て」
「なに?」
「いや、その……シュナ的に……
オレは……ありなのか……?
その、異性として……」
(私から見て、しげみちは……?)
・いや、ない
・あったらダメ?
「いや、ない」と答えた。
「ないのかよ!じゃあなんで自分か、なんて言ったんだよ!」
「だって……私を見るなり言ってきたから……可能性の一つとして?
私だって女だし、しげみちの好きな女のコのタイプ、くわしくは私、知らないし」
「お、脅かすなよ
『二又ルートって……ありなのか……?』
とか真面目に考えちまったぞ?」
「……真面目に考えても、私、二又は嫌よ?
それにしげみちの好きなコが誰だとしても普通は嫌だと思うわよ?
もちろん『普通』ってそれぞれの出自とか文化によっても違うだろうけど……」
「そ、そうだな、今のはなかったことにしてくれ。あー、しかしびっくりした……
と、とにかく!
正解はステラだよス・テ・ラ!」
ED-1
『to be continued『しげみちの恋』』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
「あったらダメ?」と聞いてみた。
「え、いや
ダメじゃ……ないけど……」
「……何やってんだよ、お前ら」
「な、なんだよ、沙明、いたのか?」
「オイオイ……俺が寝てたところに来て
しゃべり始めたのはそっちだぜ?
つーかシュナ」
「なに?」
「こっち来ねえ?」
「……なんでまた?」
「そりゃお前、しげみちいけるなら、フッツーに俺でもいけんだろ?」
「お、おい、沙明!」
「なんだよ、そうなるだろーが、論理的に」
(論理って……なんだっけ……?)
「おい待て、そりゃシュナの外見へのハードルが引くほど低い可能性も否定できないが、そうとは限らないだろ!」
(…………)
「中身、性格込みで外見と総合して
オレが『あり』な可能性もあるし
外見のみだとしても、このレア感あふれる高機能メタリックボディと大きな光る目がシュナの趣味って可能性もあるぞ!」
「いやまあ、レアはレアだけどよ……」
「その場合、オマエに勝ち目があると思うか?目を光らせられるとでも?」
「最後の判断基準そこかよ」
「……何を騒いでるんだ?」
「あ、セツ」
「シュナ、なにがあった?」
「それが……」
「……ああ、つまり……
しげみちと沙明が、シュナをめぐって争ってるのか……」
「……セツ、すごく嫌そう」
「ああ、すまない
……嫌な予感はしてたが……
詳細を聞いて……さらに不快感が増した」
「……なんかごめん」
「いや、シュナが、と言うより
今回は完全に沙明が悪いと思うが……」
(セツは本当に……沙明が嫌いよね……)
「……しかし、シュナがはっきりしないと、収拾がつきそうもないな
……どうする?」
私は……
・しげみちが好き、と宣言する
・沙明が好き、と宣言する
・セツが好き、と宣言する
・放置して自室に帰る
「あの、私……
私は、しげみちのことが好き。
それに、好きな人がいるときに他の男性と関係する、とか考えられないから……見た目のありなし関係なく、沙明とどうこうなるってことはないわ。……悪いけど」
「シュナ……!」
「オイオイ、なんだよそりゃ
つーかしげみち、お前ステラのことが好きだったんじゃねーの?」
「お、おい!沙明!何を今……」
「昼間もステラのことチラチラ見てたし、好きな奴いるのか、とか聞いてたじゃねーの。……二又か?ひっでーな」
「…………」
・しげみちを責める
・それでもいい
「……ひどい、しげみち!
二又だなんて……
私をもてあそんだのね!?」
「い、いや、二又も何も
オレはまだ、なんにも……」
「もう嫌い!しげみちのバカぁ!」
「あ、シュナ……!」
「シュナ」
「セツ」
「……その、なんで……
笑ってるんだ……?」
「それがその……自分が実際に『私をもてあそんだのね』なんて言う日が来た、と思ったら……笑えてきちゃって……」
「…………」
「……私ね、しげみちのことは本当にありだし、好き、とも思ってたのよ?
でも、私本人がそばにいるのに私に聞きもしないで勝手に私のことを決めつけて争ってるの見てたら……『まず私の話聞いてよ』ってなんか腹が立ってきちゃって。
……ちょっと、意地悪しちゃった」
「……まあ……いいんじゃないかな。
ただ」
「ん?」
「あまりああいうことで騒いでると注目されてそれだけの理由で票が集まってコールドスリープされることもある。
シュナの行動を制限したいわけじゃないけど……気をつけて」
「……そっか、そうだね、ありがと、セツ」
「……それにしても」
「?」
「たしかに、私も実際に聞いたのは初めてだね『私をもてあそんだのね』は」
「……ね、ちょっとおもしろいでしょ?」
「……うん」
「ふふ、セツが喜ぶなら、あれも言えばよかった」
「あれ?」
「『二人とも、私のために争わないで!』って」
「……やめて、次本当に聞いたら……
笑いをこらえないと、いけないから」
その後、しげみちが「オレに実在の彼女ができるチャンスだったんだぞ!」と光線銃を手に沙明を追いまわし。宇宙人が襲撃してきた!と船内を時間ギリギリまで混乱に陥れ、LeViに思いっきり怒られたことは、言うまでもない……。
ED-2
『現実と虚構の合間』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
・三つ前の選択肢に戻る
・四つ前の選択肢に戻る
「うん、知ってる」
「え?」
「でもいいの。それでも、知ってても私……しげみちが好きなの
だから……しげみち、ステラがダメだったときでいいから、そのときは、私のこと、思い出してね?」
「シュナ……!」
「……あー、納得いかねぇ
しげみちの何がそんなにいいんだよ」
「……そんなの、私の自由でしょ」
「だからってそんな都合のいい女になる必要あるか?『私とステラ、どっちをとるの?』ってここで迫って、返事によっちゃあビンタしたって許されるぜ?」
「…………」
「……沙明、腹いせにシュナを煽るのはやめろ」
「チッ。……ヘイヘイ、わかりましたよ」
「……じゃ、じゃあそういうことで!またね、しげみち!」
「あ、シュナ……!」
「……シュナ、いいのか、あれで」
「うん、いいの。がんばって、とは言わなかったし……それに」
「それに?」
「ビンタしてもあんまりきかない、こっちの手が痛くなりそうな気がするのよね……しげみちのメタリックボディって」
「……そういう、問題?」
その後、思わぬ波風を立てられたしげみちの恋が、どうなったかはさだかではない……。
ED-3
『しげみちの恋に波風を〜エンジェル・ウィンドver』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
・三つ前の選択肢に戻る
・四つ前の選択肢に戻る
「あの、私……
私は……シャ……」
「!
そ、そうかシュナ!シャワールームに行きたいのか!よし、すぐに行こう!すぐ!」
「え?ちょっ……!?」
「…………セツ」
「ごめん、シュナ
シュナにはシュナの考えがあって
私が行動に口を出すべきじゃない
そう思ってはいたんだけど……
どうしても……どうしても、私……
沙明……だけは……!」
「…………」
「シュナ、会議のときは仕方ないけど……
もしもシュナがどうしても
沙明に近づきたい、と言うなら……
私が見ていない
いないときだけに、してくれない……?」
「……うん、そうする
ごめんね、セツ」
「いや、私こそ……ごめん
ありがとう、シュナ」
『セツがいるときに沙明に近づけなくなりました』
(セツのことが、大事なのもあるけど……
何より、ここで断ると……
セツ、沙明を……『やって』しまいそうだしね……)
ED-4
『接近禁止令・発動』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
・三つ前の選択肢に戻る
「あの、私……
私は……セツが好きなの」
『『『え?』』』
「しげみちを異性としてありって思うのも本当だけど、今は私、セツが好きなの
だから、好きって言われてもつきあえないし、沙明とも、どうこうなる可能性はない。
そういうわけだから……なんか、ごめんね?セツ、行こう?」
「……シュナ」
「何、セツ?」
「さっきのは……」
「ごめん、迷惑だった?」
「……そんなことは、ないけど」
「……よかった、これでセツに嫌われたらどうしようって、内心びくびくしちゃった」
「……そんな。
……ありえないよ、そんなこと」
……その後。無駄に波風を立てられたしげみちの恋が、どうなったのかは、さだかではない……。
ED-5
『しげみちの恋に波風を〜無駄色の風ver』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
・三つ前の選択肢に戻る
「…………」
「ちょっと、シュナ?」
「帰る、部屋に」
「え?」
「だって、私がいるのに、二人とも私の話を聞かないで争ってるのよ?
止めて聞くとも思えなくって……なんか、めんどくさくなっちゃった」
「シュナ……」
「ほっといても、空間転移の時間は決まってるんだから……それまでには収まってるんじゃない?」
「そうかな……
でも、シュナ本人がそう言うなら……」
その後、二人が時間ギリギリまで言い争い。
結果『しげみちと沙明とシュナとステラとセツが五角関係になった』という話が広がり、乗員全員から該当者たちへの信頼が著しく下がったことは、言うまでもない……。
ED-6
『とばっちりのステラ』
・一つ前の選択肢に戻る
・二つ前の選択肢に戻る
・三つ前の選択肢に戻る
一番上に戻る
グノーシアの部屋へ戻る
トップへ戻る
あとがき
・ゲームクリア後、攻略情報を見たら「しげみちの恋」でステラ以外にもほぼ全女キャラ分の選択肢、ククルシカやオトメも選択肢にあると知り。……なら女主人公も選択肢にあってもよくない?と思って書きました。ただただ女主人公を選んで、しげみちをワタワタさせたかった。
・本当にただワタワタさせたかっただけなので、しげみちと恋愛エンディングは考えられず、こんな感じに。まあゲームでもあるイベント失敗状態でいいと言えばいい気もしてます。あ、
沙明もいないと話が終わらない気がして出してみたけど、ただの悪役状態でした、ごめんなさい。
・しげみちと沙明はゲーム内の情報を見ると、共に「ステルスが高くてロジック低め」なキャラなので、理屈で言いあうならラキオの方が向いてる気もしますが。ラキオより沙明の方がこの話にのってくれそうな気がしたので。
・書いといてなんですが、沙明は「口説こうとした女に『恋人がいるから無理』などと断られた」な場合「すぐあきらめる」派なのか「『俺はかまわねぇぜ!』『いやこっちはかまうけど?』」とさらに食いつく派なのか定かではないです。とりあえず食いつく派にしてみたけど。話の都合で。個人的に私は「親密度や好感度が高くなるとキャラは狂う」派なので、女主人公に対してやたらと好感度が高いループタイミングだった、と勝手な設定。
・沙明がいた理由は会議でちょっと疲れたので寝てた、起きて扉を開けたらなんかしげみちが女主人公に話しかけてた、状態です。グノーシアにして対抗心で目を光らせてもよかったんですが。うっかりコールドスリープルート。
・おつきあい、ありがとうございました。
|