バーチャル殺人犯の回顧録
〜復讐orDead〜


〜金田一少年の事件簿
星見島 悲しみの復讐鬼〜

はじめに…。


・このページは管理人・さかえのセガサターンソフト「金田一少年の事件簿〜星見島悲しみの復讐鬼〜」に関する記録……というか個人的な思い出話です。

<注意!>

・以下、ネタバレです。間違えて来てしまった方、内容を知りたくない方、また、かなり管理人の地が出てますので、管理人に夢を持っていたい方はお戻りください

・「金田一少年の事件簿・星見島悲しみの復讐鬼」のストーリー・システム・エンディングの重大なネタバレおよび、金田一少年の事件簿原作のネタバレも多数、混じってます。また、セリフは私の記憶頼りの意訳が多数であり、意味は同じでも違ってる可能性があります。……あらかじめご了承ください。

・内容上、激しいツッコミ、およびくだけた表現や絶叫、また、ゲームの性質上もあり、実際に行うと犯罪になる発言などが文中に普通に使用されていますので、そのような表現が苦手な方はご遠慮 ください。

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 金田一少年の事件簿。……私が説明するまでもないほどの有名作品ではありますが、念のため前提として。

「金田一少年の事件簿」とは、1992年から週刊少年マガジンで連載されていた漫画。名探偵金田一耕助の孫、金田一 一(きんだいち はじめ)が、幼なじみの美雪(みゆき)と、凄惨な殺人事件に巻き込まれながらも、IQ180の頭脳で謎を解き、見事事件を解決する、推理漫画です。

 原作は漫画ですが、ドラマ化、アニメ化、ゲーム化、ドラマCD(カセットブック)化、小説化など、幅広いメディアミックスもされていて。

 私は当時、ゆるーい気持ちで単発だった初代、堂本剛主演のドラマを見て、そのおもしろさに驚いて。次の日から原作漫画を、1巻から少しずつ少しずつ買いそろえ。……本誌である週刊少年マガジンまでは買えなかったものの、すっかり金田一少年の事件簿シリーズのファンとなり。その後も2001年の連載終了まで、自分のできる範囲ではありますが、コミックス、ドラマCD、短編集、小説、ゲームなど、シリーズ作品を買いそろえ、それぞれを楽しんでました。

 そして、その中でも。特に思い出深く、何かあるたび思い出し。何度も話したくなる作品が、1998年1月にセガサターンで発売されたゲームソフト「金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼(ほしみしま かなしみのふくしゅうき)」……なのです。


 さて、この「金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼(以下星見島)」、なぜそんなに何度も話したいのか、と言いますと。

「殺人事件の犯人になって連続殺人を成し遂げるのがメイン……というゲームシステムが個人的に新鮮で。他にあまり知らない」

「数々の難事件を解決した金田一少年の目をくぐりぬける……という設定もあって、自分にはとても難しく感じ。クリアしたことと、そこまでの苦労と数々のバッドエンドについて、ちょいちょい話したくなる」

「プレイ当時、セガサターンを持っていて、さらに金田一少年の事件簿に興味があるなど、思う存分話せる条件がそろった相手が身近にいなかったうえ、その後ネタバレを考えると、ネットでも思う存分には語りづらかった」

「金田一少年本編に動きがある、または金田一少年本編の事件の犯人……たちが主役の、公式スピンオフ漫画『犯人たちの事件簿』を読むたび『犯人って大変なんだな。……そういや星見島のとき、私もクリアまで、大変だったな……!』などと変な共感から記憶がよみがえる」

 ……あたり、特に後半が主な原因で。今回もうっかり「そうだ『犯人たちの事件簿』読もう」と読んだ結果、星見島について、だいぶ暑苦しく語りたくなった……というわけです。


 で、この星見島。どういうゲームかと言いますと。

 ざっくりと言えば先ほど言ったように「犯人になって金田一一(以下金田一)の目をかいくぐり、連続殺人こと完全犯罪を達成する」ゲーム。

 もう少し細かく言えば、システムは画面の上3分の2ぐらいが絵、残り下3分の1が黒地で白い文字が出る、画面構成がアドベンチャーゲームっぽい、ノベル。メインはシナリオを読み、ときどき入る二択や三択の選択肢を選ぶだけ。ただし「金田一や剣持警部に目撃されないように(動く二人の視界ゾーンに入らないように)短い廊下を通り抜けよう!」などという理由で、短いアクションが本編中に何度か入ります。

 そして途中、選択肢やアクションに失敗すると、主人公が殺されたり、逮捕されたりなゲームオーバー。ゲームオーバー画面では原作こと金田一少年の事件簿(以下原作)の犯人たちが、おおむね適切なヒントとアドバイスをくれる……形です。

 ストーリーは女主人公編と男主人公編の2つ。両方クリアすると短いおまけシナリオがありますが、それは本当におまけなのでスルーして。舞台はリゾート島の「星見島」にあるホテルとその周辺がメイン。女主人公編と男主人公編、どちらも大切な人を殺された復讐に、その犯人たちを殺害、連続殺人を完遂する……のが目的ですが、ストーリーは別々です。

 女主人公編と男主人公編は、言うなれば「登場人物が半分ぐらいかぶっているパラレル」で。お互いのストーリーに、最初に選ばなかった主人公キャラは出てきますが、女主人公編で女主人公が殺人を続けてる中、男主人公だったキャラも、見えないところで殺人をしている……などということはなく。……お互いの殺人の成否でストーリーの難易度が変わる、などと言うこともありません。

 ……とまあ、こうしてシステムだけ見ると、システムはノベル+ミニアクションと、それほど難しくないのでは?と思われるかもしれませんが。

 結論から言うと、男主人公と女主人公、どちらも完全犯罪を達成したハッピーというか成功エンディングは、それぞれたったの1つのみ。それに対し、失敗、バッドエンドは、男主人公約30、女主人公約50と、全部で約80種以上。基本失敗、初回ノーミスで成功エンディングにたどり着くのは、ほぼ不可能、と言っても過言ではなく。よほどの天才か、とんでもない強運の持ち主でもない限り。たいていのプレイヤーは、クリアまでに数々のバッドエンドに見舞われる形です。

 メタなことを言えば「プレイステーションで出た『金田一になって事件を解決するゲーム』も難しかったから、犯人になって金田一相手に完全犯罪を成し遂げるゲームとなれば、もっと難しくて当たり前」とか「当時全体に、ゲームのプレイ時間は長いものが多く、アドベンチャーと言ってもプレイヤーから見て全体でプレイ時間、30時間以上は期待された」……などという理由もあると思いますが。

 ただ、まあ、そのように。少なくとも私には、まったく簡単ではなく。プレイ当時、何度となく投げ出したくなった、おこづかいで買ったわけじゃなければ、途中でクリアを投げてたかも……と言うのが、思い出したうえでの素直な感想です。




 で、そのプレイヤーを襲う数々のバッドエンド。どういうものがあるか、と言いますと。

 「責任者なのにお世話になる船長にあいさつしなかったために、星見島にたどりつけず事件が終わる」
 「復讐とは無関係の人間を襲ってるところを見つかり、現行犯逮捕される」
 「復讐のターゲットを殺害しようとしたら別人が死亡、犯行がバレ、逮捕される」
 「復讐のターゲットの殺害に失敗、反撃されて主人公が死ぬ」
 「犯行後、余計なことをしたがために犯行がバレ、逮捕される」
 「金田一にトリックのすべてを暴かれ、逮捕される」……などなど。

 そして多くの場合「カツラで変装して犯行後、使ったカツラがポケットからはみ出ていてバレる」とか、「小細工で調理場を荒らした結果、ニンジンが胸ポケットからはみ出ていて犯行がバレる」などの、主人公の多種多様な失敗スチルや死亡スチルこと、一枚絵が表示され。

 実際には違うかもですが、プレイ時の記憶を思い出す限り、私の操作する主人公。7割8割、復讐のターゲットに殺されてた気がします。

 ……私、今回犯人のはずなのに!殺された数>>>>>>>>殺した数、と数だけなら、むしろ圧倒的被害者!最終的には殺害に成功し、連続殺人・完全犯罪を達成したけど、相手に殺された数に比べたら、全っ然足りない気がしてならない……!と、今思い出しても叫びたくなるほど。

 特にオープニングからのストーリー冒頭。……主人公の大切な人が、本来あるはずがないような、謎の自殺をしてしまい。

 そこでそもそもその自殺、事件について調べなかったり「考えてもあの人は帰ってこないから、私は私の人生を生きなければ」などと思って転職や、休職してた仕事に復帰したり。あるいは自殺ではなく殺されたと知ってなお「復讐なんてできない、警察に知らせよう」などと、むしろ人としてまっとうな選択肢を選んだ場合。

 ……十中八九、いきなり大切な人を殺したその犯人、復讐のターゲットになる男が、本当にいきなりやってきて。「しねぇー!」で刺されて死にます、主人公。だいたい。

 原作、金田一に限らず「こんなこと(復讐殺人)をしても、(殺された)あんたの大切な人は喜びはしない!」……などと言う説得は、よく聞いたり見かけますし、通常時、私はそれを悪いなどとは、まったく思いはしませんが。……その理論、理屈を許さないのがこのゲーム。

 いやいやいやいや!復讐しないと死ぬんだよ!こっちが!心……の問題も深刻だけど、そっちでなく、肉体的に!物理的に!……などと、何も悪くない金田一にむかって、全力でメタツッコミしたくなる始末です。

 うん、本当、この事件に関しては金田一、一切何も悪くなく、間違ってもないんだけどな……。そもそもタイトルからして『星見島悲しみの復讐鬼』だから、復讐しないと、あと星見島に行かなきゃダメなんだろうな……とも思うけど。

 また、他にも選択肢関連のバッドエンドで言えば。

 ターゲットを殺害する凶器に、選択肢で「大理石の置物」と「大理石の時計」が出てきて、とっさに「時計」を選んでしまい。

 せっかくアリバイトリックを使って犯行時刻をずらし、偽の犯行時刻にはしっかりアリバイがある形にした……にもかかわらず。凶器に選んだがためにその時計が壊れてしまい。止まった時計の時刻で、真の犯行時刻が明るみに。そしてもちろん犯人なのでアリバイがない→逮捕だ!……などと、明らかに失敗選択肢を選んでバッドエンド……はわかりますし。そういうものに関しては「そうだね!これは私が悪かったね!」などとこっちも納得、ゲームオーバー時の原作歴代犯人からのアドバイスも、素直に聞き入れざるを得ないのですが。

 中には「凶器には何を使う?」→A.「毒」B.「氷」などと「それは……どっちでもいいのでは?このゲーム、大切な人が凍死させられたーとか、毒で殺されたからそれで復讐ーみたいな理由もないし。本当、別にどっちでも……」としか言いようのない選択肢。……にもかかわらず、そこで「毒」を選ぶとオールアウト。それもすぐにゲームオーバーではなく、その後も選択肢がいくつもあり。しばらく、ひととおり試してから、毒ルートは全滅、バッドエンドしかないと知る……なんてこともありまして。……そうとは知らず、数々の苦労とプレイ時間が水の泡、なんてことも、何度となくありました。

 中でも個人的に、特に思い出深いのが、ゲーム中、そんな感じで、殺害トリックを選ぶとき。

「あ、これ、原作で○○事件の犯人がやってたトリック、ほぼそのままだ!え、今回これできるの!?うんうん、ならやってみたーい!」などと原作ファンとして盛り上がり。嬉々としてその殺害トリックを選択し。アクションシーンも無事成功。よーしやった!……さて、残るターゲットはあと一人……!……などと思っていたところ。

 死体が発見、事件が発覚した途端。金田一の推理が冴えわたり。本当に秒、あっと言う間にそのトリックを暴かれた……その理由が。

「前に解決した事件に、同じトリックを使った事件があった」と。

「……ですよね!玲香ちゃんこと速水玲香や、いつきさんこといつき陽介が出てること、当の○○事件の犯人がアドバイスくれること考えても、時系列的にこのゲーム、絶対あの○○事件を金田一が解いた後の話だもんね!!そりゃそうだわ!」……としか言いようがなかったこと。……たとえ、ゲームオーバー時にその○○事件の犯人出てきて『金田一に二度も同じトリックは通用しない』とか言われても。たとえ「それ、一度目をやって解かれた、お前のせいでもあるからね!?」とすごくツッコミたかったとしても。

 あと、少し上に書いたように、オープニングでさんざん「復讐しないと主人公が死ぬ」エンドを見せつけて。殺人犯になる道を、プレイヤーに強制しておきながら。

 女主人公編、ある意味このゲームで一番難しいシーンというか。クリアに必須部分で、4つの二択選択肢、すべてを正しく選ばないと進めない……と、そういうシーンがありまして。

 状況的には、関係者たちは星見島のホテルに滞在中。女主人公が復讐のターゲット、3人中2人の殺害成功。アリバイなどトリックもうまくいき、今のところ犯人と断定される証拠もなく。……その状態で、皆のいるホテルに事件の犯行予告や脅迫状にも思える手紙が届いた……ものの。……当の犯人の女主人公は、そんな手紙、知らない、出していない。……果たしてこのメッセージを出した「謎の人物」は?……と、自分の部屋で女主人公が考える……シーンなんですが。

 私、そこで何度もつまってしまい。あまりにもうまくいかない、バッドエンドばかりで先に進めないものだから。

「……うーん、この選択肢が正解はないと思う、思うけど……。でも、もうわかる限り、他の選択肢、全部バッドエンドだったんだよな……。それにターゲット、もう最後の一人だし……もしや?」と思い。たまたまホテルの廊下で出くわした、復讐の3人目、最後のターゲットに対し「(その場にあった)消火器で殴りかかる」選択肢を選んだところ。

 無事、相手の頭を力いっぱい殴れたものの、何せホテルの廊下という共用の場。普通に通りすがりの関係者に見つかって。普通に警察こと剣持警部が駆けつけて。女主人公、剣持警部に、殺人未遂の現行犯逮捕されました。……だろうね!

 ……それはそれとして話を戻しますが。で、その、私がさんざん迷走するハメになった4つの選択肢、結局何が正解だったか……と言いますと。

「誰が書いたかは見当がついていた。」
→「これ以上、勝手なことをされてはめんどうなことになる!」
→「彼の勝手な行動をやめさせなければ…」
→「このままでは彼が危ない目に、あってしまう!」 

……が正解選択肢だったのです。

 ……繰り返しになりますが、このゲーム。オープニングでさんざん「復讐しないと死ぬ」と知らしめ、殺人犯になる道をプレイヤーに強制し。プレイヤーを「ワカッタ、ワタシ イマカラ ヒトゴロシ」などと、残虐非道な殺人犯メンタルにしておきながら。

 「彼」こと途中のアクシデント、手紙を出した……と女主人公が思った犯人。失礼ながら見た目がいいわけでもなければ、性格がすごくいいわけでもない、ていうかやべえアイドルオタクで、場合によっては元人気アイドルの女主人公の使用済ジュース缶を拾って保管してるのが発覚したり、時には女主人公を殺害するなど、ぶっちゃけキモく。褒められるところと言えば中の人の見事な演技力ぐらい。プレイヤーに特別な思い入れや、特別な趣味嗜好がない限り、好かれる、人気が出るわけでもない男性キャラ……を「事件に巻き込むわけにはいかない!」と思い行動する、いわば正義と慈愛・博愛の心を持っていない限り、バッドエンド。……たったひとつの完全犯罪達成、成功エンドに続く道へ進めない、クリアできない……という形なのです。

 ……リアルタイムプレイ当時、攻略本なしでプレイして。無限とも思えるほど繰り返される、バッドエンドに追い詰められて。……さすがにこれはないと思う……けど……と思いながらも、わずかな希望を胸にして。ターゲットを消火器で殴って、現行犯逮捕のバッドエンド。あーもうやだ!今日はもう無理!と挫折、その日のプレイを終了し。……次の日に改めてプレイ、この正解ルートに進み。シンプルに思いました。「は?」と。

 ……ついでに言うとその手紙を出した犯人、そのアイドルオタクでもなかったし。結果、ただただ的外れな選択肢に振りまわされただけ。

 今でもこのゲームこと星見島は好きですし、原作も好きで。結果、自力でクリアはしたものの。……未だに星見島について思い出したとき、真っ先に浮かんでくるほど印象深く、そして思い出しても、未だにちょっと納得はいかないです、この4つの選択肢の部分。……解せぬ……!

 ……そしてここまでは「選択肢によるバッドエンド」の話だったのですが。合間に入るミニアクションシーンも、初見殺しというか。二度目の再挑戦やあらかじめ知っていればそうでもないものの、初めてではわりと難しく。

 私は初回、最後のターゲットを殺害する、ある意味クライマックスなそのシーン。……それはターゲットを物影から、拳銃で撃ち殺せ!というアクションシーンで。……普通に目安の、〇っぽいマークこと、照準マークにターゲットが入ったところで、ボタンを押して拳銃撃ったら、ゆったり歩いてたターゲット、拳銃の弾が届くより早く、照準範囲から進み抜け、当たらず失敗。……殺害しようとしていたのがバレて反撃、女主人公が殺され、あえなくバッドエンドとなりました。

 ……いや、あいつ拳銃の弾より速いって、どんな歩行速度なんだよ!おかしくね!?そりゃ主人公との距離にもよるかもだけどさ、絶対そんな距離なかったよね!?といま思い出しても改めて全力でツッコミたい。

 ……全部が全部、そういうわけではないですが。たまに入るアクションシーンもそんな感じ、少なくとも簡単、楽勝というわけでは決してなく。……選択肢とアクションというシステムで、金田一の目をかいくぐった完全犯罪の難しさ……を表現しようとした結果なのかな、とは思いますが。星見島、ちょいちょい理不尽!と叫びたくなることはありました。正直。


 さて、そのように。金田一の目をかいくぐりながら、その頭脳と気力体力、その他主人公の持つ武器をフル活用、完全犯罪に挑み続け。数々のバッドエンドにも負けず、正規ルートこと成功のエンディングにたどりついた結果、どんなエンディングになったか、と言いますと。

 女主人公編と男主人公編で、復讐のターゲットや細かいストーリー、人間関係などは違いますが、流れは同じ。……つまるところ、それまで台風のせいで巨大な密室になってた星見島に、天候が回復したことで、外部から金田一のライバルともいえる、エリートイケメン刑事こと、明智警視がやってきて。

 明智警視、男主人公編ではシャワーあがりの半裸など披露したあげく。両主人公編で、ともにポンコツ推理を織りあげて、主人公ではない別の人物を犯人と断定。……復讐のターゲット全員を殺害した犯人の主人公は、逮捕を逃れ、無事星見島から帰路につき、complete、スタッフロール……という形です。

 ……まあ、あらゆる意味で金田一を殺すわけにもいかず。他にどんな成功エンディングがあると言うんだ、と言われれば正直思いつかないですが。……とりあえず犯人でもないのに犯人にされた人は、ゲーム内の連続殺人犯の私から見ても、あまりにもかわいそう。

 完全犯罪って……連続殺人って……大変なんだな……。原作読んでたときは「へーそっかそんな手が!すごいなーそうすればできたんだー」ぐらいしか思わなかったけど。……実際に人間がそのトリック成功させようと思うと、だいぶ難しいんだな……と、もともとフィクション以外で犯罪にかかわりたいとは一切思わなくとも、それでもバーチャル、連続殺人の仮想体験で、深く心に刻まれてしまい。

 原作公式に動きがあったり『犯人たちの事件簿』を目にするなど、何かあるたび。……あの苦労を、理不尽を。トリックを考え、バレないように準備をし、どちらが正解か悩みながら、選択肢を選び続け。さらに数々のアクションを成功しても、なお失敗、バッドエンドを繰り返し。「謎は」「すべて」「解けた!」な金田一、時には剣持警部に怯えながらも、復讐の連続殺人を完遂するため、歴代犯人のアドバイスを受けながら、トライアンドエラーを繰り返したあの時を。……思い出し、そして思う存分、気が済むまで語り尽くしたくなってしまうという……ある意味で殺人事件の後遺症に、発売から25年以上たった今でも、とりつかれているのでした……。

2024/6/1


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