Sappari Quest
〜元祖編〜



 自然豊かな村に住む少年ロデス(剣士・15歳)と少女エル(魔法使い・15歳)。幼なじみの二人のもとに妖精の二人(女)「S」と「Q」があらわれ、助けを求められる。

 魔物が道をふさいでいて、妖精の村に帰れなくて困ってる、助けて、と強引に連れ出されるロデス。ちょっとおもしろそう、とついてきたエル。4人で力を合わせて魔物を退治し、無事妖精の村についた一行……だったが、突然大きなゆがみがあらわれたと思ったら、ロデスとエルだけが、まとめて異空間に飛ばされてしまった。


 謎の異空間で「神の使い」に出会った二人は、過去の勇者たちが倒した恐ろしい魔王が、ロデスたちの生きる時代に復活、世界を滅ぼそうとしている、その魔王を倒せるのは勇者たちの血を引くロデスたちだけ、と告げられて。元の世界に戻るかわりに、『伝説の勇者たちの子孫』こと仲間を集める旅に出て、魔王を倒す……ことになってしまった。

 無事元の世界に戻ったロデスたちは「神の使い」に導かれたという『伝説の商人』ピア(女・14歳)を仲間にくわえ。その後、旅を続け『伝説の武闘家』フェルツ(男・16歳)『伝説の僧侶』ウィル(男・14歳)『伝説の遊び人』マーシャル(女・17歳)を仲間にしたところで。「神の使い」と同じぐらい世界の創造神に近いという『伝説の賢者』サナック(男・14歳)があらわれる。

 サナックは現在、魔族こと魔王の手下が、魔王を復活させようとしていて。復活に必要な生贄に、魔族と人間のハーフであるマーシャルが狙われていること、すべてを解決するためには仲間を全員そろえ、創造神、世界を作った二人の女神に会う必要があることを告げる。

 また、マーシャルには実の兄がいて。兄(19歳)は魔族のもとにいて、魔王を復活させるためにマーシャル……以外の生贄を探していたことを、マーシャルは告白。そのために強い魔力を秘めたエルを生贄に狙い、妖精の村でゆがみを発生させてさらおうとしたが、その場にいた妖精たちと「神の使い」の妨害でうまくいかなかったこと。そしてその兄こそが、最後の仲間『伝説の戦士』だったため「神の使い」は兄を殺さず見逃した、と告げた。


 とにかく女神に会うために必要なアイテムを取りに行った一行は、聞きつけた魔族たちの妨害にあい。分断されて魔族たちと戦うが、なんとか全員勝利をおさめ、その場にいたマーシャルの兄『伝説の戦士』も仲間にすることに成功。二人の女神に会うことできた。……その二人の女神とは、ロデスたちを導いた二人の妖精、SとQ。女神は妖精に化けて、ロデスたちの前に姿を現していたのだ。

 SとQから伝説の武器防具を受け取った一行は、とうとう魔王の城へたどりつき。世界を滅ぼそうとする魔王を倒し、世界に平和が訪れて。感謝した女神たちから一つずつ、それぞれの願いをかなえてもらうことになった。



 強さがすべて、という村で育ち、強くなるためと年端もいかぬうちから一人で野に投げ出され、村を恨んでいた武闘家のフェルツ。彼は誰にも、何にも負けない強さを望み。その強さを得て村に戻り、気が済むまで戦い、勝ち続け、恨みを晴らすことで、得た強さを確かめ、村のすべてを従えた。

 しかし、もとはと言えばそんな村を作った誰かが悪い、そう思ったフェルツは、その誰か……魔物との戦いのせいでなりをひそめていた、武力で侵略を繰り返していた国……の王城へ行き。強き兵たちと現王を倒し、そのまま王となった。復讐を果たし落ち着いたフェルツは、ロデスたちとの冒険の中で、強さは大事だが、強いからと言って絶対に間違えないわけではないこと、腕力はなくとも、知恵など、優れた力を持つものもいた……ことを思い出し。その後、自身の強さを継承する方法を探し、実践しながらも、村の者や兵たちの意見も聞き入れ、力を合わせ国を治める、よき王となった。

 とにかくお金がほしい、と思っていた商人のピアは、莫大な金を望み。「いつでも好きなだけ無限に通貨が出てくる力」を与えられた。お金の心配がなくなったピアは、しばらくの間、好きなだけ買い物などを繰り返す日々を送ったが、移動・運搬・交通や人材確保の不便さを、たびたび感じ始め。

 その後、ありあまる資金と旅で得た知識や人脈・魔法を惜しみなく使い、地形などで遮断されていた世界各地の移動・交通・情報伝達手段を確立、世界の商売や文化を、大きく発展させることになった。

 もともと生贄にならないために強くなり、財産や周りも含め、自分の身を守る力を求めていたマーシャル。だが生贄の可能性もなくなり、兄も戻った今は、特に欲しいものがない、と願いを保留にし。その後、時にピアと協力し、自身の経営するカジノを、国を越えて広め、巨万の富を得た。また、自身の経験から得た、他に気になることが多い、治安が悪いと娯楽が存分に楽しめない、という持論に基づき。カジノで借金を抱えた者たちも使いながら、各地各国の治安回復・維持にも貢献した。

 もともと自分と妹の身を守るため、魔王・魔族の側についていたマーシャルの兄。魔王の脅威がなくなった今、彼は家族としてマーシャルと共に暮らすことになり。女神にはマーシャルの身の安全を願い、叶えながらも。その後も鍛えた剣を、妹を守り、妹の望む治安のため、ふるい続けたという。

 思い人との恋の成就を願ったウィルだったが、女神たちにそういうのはやってない、解釈違い、などと断られたため、とりあえず願いは保留。特別サービスで、と相手の好み、理想のタイプを教えてもらったため。思い人の理想のタイプを目指しつつ、日々アプローチに励んでいたそうだが……それが叶ったかどうかは、定かではない。

 賢者として力をつけるうちに、一人でも各地をまわれるようになっていたサナックは、世界の知識を集め、後の世界のために残しておきたい、と願い「無限に記録ができる本」を与えられた。彼はその後も自らの足と目で世界を確め、集め・得た知識たちを、分類して本にして残し。現在・そして未来の学術・教育に、大いなる貢献をした。

 そして『伝説の勇者』ロデスと『伝説の魔法使い』エルは……。



 二人は生まれ育った村に戻り、しばらくして、あの妖精の村を訪れたが、そこには村の痕跡はなく、美しい花畑が広がっていた。……妖精たちもその村も、どうやら女神の見せた幻のようだった。

 結局、女神に何を願ったか、と一方が聞くと。女神といえども、世界の永遠の平和や魔王や魔物・魔族の滅亡、そして恋など、人の心を操るような願いをかなえることはできないらしく。……それらを願った場合は、保留になったようだ。

 そしてまた。ささやかな、自らの力で叶えることのできる願いも、叶えることができないという。……女神の力を、使う必要がないからだ。

 ……たとえば、好きな人と、美しい景色を見て時間を過ごす、ような。

――fin


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 おまけ

 〜補足という名の書きたいこと〜

・中学生の5月にはじめ、連載期間は約2年、ノート全5冊。女神たちに会うためのアイテムを取りに行って戦った……ところで5冊目が終わって『6巻に続く!』で未完になったため、残り、その後が今回のかきおろしです。

・主にパクやパロだったり、あと前回を雑リセットすることも多く、とてもそのままでは人前に出せないので、がっつりカット&修正しまくった……のもありますが。現在私の手もとにあるのが1・4・5冊目、仲間が増えたタイミングが友人の持つ2・3冊目だったため、余計にそこらへんざっくりです。仲間にはなってた!それは事実!

・マーシャルの兄は諸事情で名前が変わったりしたので「兄」で統一しました。

・ウィルの思い人、は私はマーシャルだったものの友人はエル……と当時意見がわかれていたので、今回はぼかす形。というのも、ロデスとエルがヒーローとヒロイン・最終的にカプになる設定なのは、当時私と友人の共通認識だったため、ウィル出てくるとややこしいなと。ウィル、マーシャル相手でよければくっついたことにしてもいいんですが、私は。

・あと「神の使い」ざっとまとめたけど、覚えてる・確認できただけでも4人はいた。カオス。

・何にせよずっと未完だったものを、さっくりとですがこの機会にまとめ完結できて嬉しいです。おつきあい、ありがとうございました。


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