おもいでぼろぼろ
〜いろいろ編〜
スーパーマリオカート編
〜思い出のロード〜
中学生のときだった。私はスーパーファミコンの、スーパーマリオカートをプレイしていた。
もとはといえば、友達が持っていたソフトで対戦モードを遊ばせてもらい、おもしろく。買ってもらいはしたものの、その後も友達と対戦モードで何度も遊び、十分満足していたため。通常の、○○カップ、と呼ばれるレースのステージをクリアする、という遊び方には思い至らず。ステージをクリアしよう、と思ったのは、買ってもらってから、年単位で後だった。
スーパーマリオカートにはキノコカップ・フラワーカップ・スターカップという3つのレースがあり。その3つのカップに、それぞれ5つのコースがあって。そのコースで上位4人に入ると、次のコースに進むことができ、ポイントをゲット。上位4人に入れないと失敗で、予備カートと言うかコンティニューが減るしくみ。
コンティニューがなくなる前に、5つのコースを上位4位以内で走り抜け、最後に一番ポイントをゲットしていた選手が優勝……というシステムで。そして3つのカップ、すべてでプレイヤーが優勝すると、スペシャルカップが出現した。
私は何度か、そのスペシャルカップに挑戦したものの、当時の私には難しく。試しに挑戦してみては、最後のコースにすらたどりつけず、ゲームオーバー、嫌になって投げ出す、を繰り返していたのだが。……あるとき、今回こそクリアしたい!と思った私は、何日もかけて、何度も挑戦。
スペシャルカップの最後のコースこと「レインボーロード」。道が七色に光るという、ボーナス感あふれる派手な外見とは裏腹に、壁がなく。七色の道をはずれると、暗闇にまっさかさまに落ちてしまうという、美しくも恐ろしい最終コース……に進むまでは、できるようになり。とうとうあるとき、そのレインボーロードで、4位までに入れば優勝できる……というところまで、たどりついた。
しかし、コンティニューはもう残っていなかったため、チャンスは残り一回。そのため、少し緊張しつつも順当に上位をキープし、進めていた、後半も後半。最後の一周で、マリオとして走っていた私は、ドンキーコングにぶつかられ、大きくはじき飛ばされて。飛ばされたその場所に、上からドッスンが落ちてきて、物理的にペラペラにされてしまい。そのまま操作もできぬまま、風に吹かれ、奈落の底へと落ちていき。大幅なタイムロスを余儀なくされた。
そ、それでも入賞さえすれば……!まだチャンスは……と希望を胸に、審判?のジュゲムに元の位置に戻してもらったのだが。……元の位置なので、また狙ったかのように同じドッスンが落ちてきて、つぶされて。ペラッペラのマリオを、下位だったピーチ姫・キノピオ・ノコノコたちが踏みつぶし、その風圧で、また奈落の底へと落とされて。……入賞もできず、ゲームオーバー。あまりのことに、私はコントローラーごと、ゲームを投げ出したのだった。
数か月後。……それまで私は、そもそもレースゲーム自体、このマリオカートが生まれて初めてのため、どうせ考えてもわからない、などと運とカンだけ、考えることを放棄したプレイをしていたのだが。今度はロジカルにというか、ちゃんと考えてやってみよう、それでもどうしてもダメなら、そのときはあきらめることも考えよう、と思い立ち。
勝敗にこだわりすぎず、最初はコースを覚えることに集中、アクセルボタン押しっぱなしではなく、時にはボタンをはなして速度を軽く落とすことで、順位を落としにくいスムーズなカーブも覚え。クッパやドンキーなどの大型キャラにはじき飛ばされた経験から、今度は飛ばされないよう、大型タイプのキャラでプレイ、そしてスペシャルカップまで来ると、追撃弾の赤コウラは避けられるが、追撃しない緑コウラは避けられにくいので、攻撃には緑のコウラを使うなど、いろいろ対策を練ったうえで挑戦し。……無事レインボーロードもクリア、優勝し、スタッフロールを見ることはできた……のだが。
それでもなお、レインボーロードを見ると思い出す、血のにじむ努力の末に、やっとたどりついた最後のチャンス。そのチャンスをよりにもよって、他シリーズで何度も救った、恋人や仲間に物理的に踏みにじられ、粉々に砕け散らされた、あまりにひどいしうちの思い出。
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MOTHER2編
〜恐るべき都会〜
中学生のときだった。私はスーパーファミコンの、MOTHER2をプレイした。
MOTHER2は比較的現実・現代よりの世界観、マップでは時に自転車を使い、時には宅配サービスを使い。戦闘で使うのは魔法でなく超能力、主人公の母の、手作りの好物が回復アイテムになる……など、当時の私には、特に珍しいゲームであり。その中でも、現代にいたるまで、私が他で見たことのない「状態異常」が「ホームシック」であった。
「ホームシック」とはゲーム中、主人公が突然かかる状態異常。このホームシックになると、戦闘中、ときどき家族や家を思い出して、行動不能になってしまい。解除するには、自宅に電話、家族の声を聞くしかない。
しかし、当時の私は、ゲームを自由に長時間できる環境でなく、また、攻略本も持っていなかったため。主人公がこのホームシックにかかったときには、その回復のしかたを知らなかったか、知っていたとしても、すっかり忘れ。さらによりによって、私の主人公がこの重度のホームシックにかかったのが、初めて「ムーンサイド」に行ったときだったのである。
「ムーンサイド」とは、真っ暗な世界に、建物や道路の輪郭線が派手なネオンカラーだけで浮かび上がる……という奇妙な世界。そこに今まで現実の世界にいた主人公たちが、何もわからぬまま飛ばされて。……住民らしき人々に話しかけても「よよううここそそ」などと、ブレにブレてブレすぎた、ほぼ意味不明なセリフばかり。
移動も通常の町とはまったく違い、本来道路Aから道路Bへと続くはずが、一瞬で道路Aから道路Eに飛ばされた、などという怪奇現象に、ずっと見まわれ続けるという、それだけでも混乱する、それはそれは恐ろしい町。
そのムーンサイドで、よりにもよって、当時の私からしたら意味不明の状態異常「ホームシック」にかかってしまい。環境が悪くて体調不良……ハウスシック的な何か?と、病院に行っても、治らない。ホームだから、家に関係が?と家に帰ろうにも、帰れない。何故ならそもそも自分がどこからきてどこへ行くのかもわからず、ムーンサイドから出られないのだから、ムーンサイドの外、いくつもの町を越えた遠い場所にある、我が家に帰れるはずがない。
そんなムーンサイドで、まだ見覚えがありそうな人を見かけ。うわあああ、なんか知ってる人っぽいぞあれ!あのすみません、お願いだから助けてえ!と助けを求めるために追い続け。やっと話しかけることができたと思ったら、なんかその人が敵ボスだった。
……いや回復アイテムほぼもうないし、あったところで主人公がホームシックだから、勝手に回復キャンセルされたりするけど!?え、どうしろと?どうしろと!?ていうかこの状態、システムが何一つ信用できない状態で、普通に全滅したところで、これ、通常の全滅あつかいになるの!?何、ここまでのストーリー全破棄されるの?もう私ダメじゃない!?いやあああ!いやあああ!いやあああああ!……などと、とてつもない恐怖と混乱に陥りながらも、戦闘突入、なんかそのボスに勝ったため。……恐怖と混乱を思いきり引きずりながらも、ムーンサイドを抜け出した。
都会とは非常に恐ろしく言葉も通じない、危険すぎる場所であり。ホームシックは恐るべき、時に死にいたる病である、という誤った認識だけが、私の心に深く深く刻まれた出来事だった。
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ロマンシングサ・ガ編
〜生まれた不信〜
中学生のときだった。私はスーパーファミコンソフトのロマンシングサ・ガ1をプレイした。
ロマンシングサ・ガ2をプレイして、ロマサガシリーズに興味をもったところに、同級生男子がロマサガ1を持っていると知り。頼み込んでソフトを貸してもらったのだった。
しかし、そのため、長期間プレイすることはできず。また、ロマサガ1は当時の私には難しかったこともあり。複数の主人公のオープニングだけいくつか見て、その中から自分にできそうな主人公を一人選び。短期間でなんとかメインストーリーはクリア、礼を言って返却したものの「別の主人公だったらどうなったんだろう」や「あのイベント、クリアできなかったな」な部分がいくつかあり。少し気になっていた。
それから数年後、高校生のときである。同級生の友人たちとロマサガシリーズの話になり、そのうちの一人がロマサガシリーズが好きで、くわしいと知り。私は聞いた。
「そういえば、私ロマサガ1を借りて一応クリアしたんだけど。なんか10個あるって宝石、結局全部集められなかったんだよね。あれってさ、全部集めると、どうなったか知ってる?」と。
友人は言った。
「あれ結局、ゲーム中で全部集まらないよ」と。
ロマンシングサ・ガシリーズに、不信感が芽生えた出来事であった。
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ロマンシングサ・ガ2編
〜知らなくてよかった事実〜
中学生のときだった。私はロマンシングサ・ガ2をプレイした。
しかし、ロマンシングサ・ガ2は当時の私には難しく。がんばってはみたものの、だいたいいつも、サバンナのアリイベントか、サラマンダーの町の火山噴火イベントで敗北、失敗し、挫折していた。
その後、おそらくではあるが中学生のころ。今まで挫折したいくつものゲーム、他のいろんなゲームをクリアした今なら、できるかもしれない、そう思った私は、改めてクリアに挑戦しよう!と思い立ち。その挫折したゲームの一つである、ロマンシングサ・ガ2を再プレイ。なるべく丁寧にがんばったところ、いつも失敗して投げ出していた、サバンナのアリを退治、イベントをクリアすることに成功。そして改めて、サラマンダーの町の火山噴火阻止イベントに挑戦した。
それはサラマンダーの町が、近くの火山の噴火で滅ぶのを阻止する……というイベントで。火山の火口での、いつ終わるのかもわからない、長い長い戦いに突入。その最後の最後、ボスが消える直前に、溶岩を吹き出し、マイパーティ全員に、大ダメージ。ああ、もう!またダメだったか!と思ったら、先頭にいた戦士、たった一人が生き残り。無事勝利、無事クリア。その後の、町のサラマンダーに感謝されるイベントにも感動し、とてもドラマチックな流れだった、いい話だった……と満足した。
そして次の日、学校での休み時間。教室で同級生たちと集まって話していて。話の流れで私が
「今いつも途中で失敗してクリアできてなかったロマサガ2やってて。初めて火山の噴火を阻止できたところなんだー」
と言ったところ。同級生の一人は言った。
「え、あれは噴火させると、闇属性魔法ゲットできて。闇属性魔法なら全員が覚えられて、サラマンダー一人を仲間にするよりもずっと強いから……噴火させて町を滅ぼした方がいいんだよ」と。
ロマンシングサ・ガ2とはなんと心ない、恐ろしいゲームなんだと思った。
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ロマンシングサ・ガ3編
〜男なんて信じない〜
中学生のときだった。私はロマンシングサ・ガ3をプレイした。
ロマサガ3には八人の主人公がおり、誰か一人を選んでゲームを始める……というシステムだったが。買ったものの、当時の私には細かいシステムがまだわからず「主人公1にしかできないミニゲームがやってみたい!」とか「主人公2でしか見られない展開が見たい!」……などという目的も、特になかったため。どの主人公を選ぶか決められなかった私は、全員のオープニングを見てから決めよう、と思い、とりあえずやってみた。
結果、ユリアンという主人公候補の男性キャラは、また別の主人公候補、エレンという女性キャラに恋をしているが、エレンにはあまり相手されていない、と知り。私は思った。
「そっか、ユリアンはエレンが好きなんだね。じゃあ、私がエレンを主人公に選んで、ユリアンに対していい選択肢を選べば、きっとカップルが成立するね!……わかった、ユリアン、私は君の恋を応援するよ!」と。
そしてユリアンとエレンの恋路を応援する、という目的が生まれた私は、エレンを主人公に選び。オープニングを終えて、知った。
オープニング後、ユリアンはオープニングで出会った美しく身分の高い女性、モニカに好意を寄せられて。そのモニカの護衛に誘われ、嬉々としてエレンに別れを告げ、モニカの護衛になることを。
オープニング8名分、数時間の後にやっと生まれた目的、純粋な応援の心を、開始早々にして踏みにじられた出来事であった。
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ファイナルファンタジー7編
〜奇跡の関係〜
中学生のときだった。私はチョコボの色が変わらず、困っていた。
どういうことかと言うと、こうである。プレイステーションソフトのファイナルファンタジー7、ほぼラストバトル直前までゲームを進めた私は、最強の召喚獣を手に入れたかった。しかし、最強の召喚獣……が入手できる場所へ行くには、黄金色に輝くチョコボこと「海チョコボ」が必要で。そのためには、手持ちのチョコボを何度か配合し「海チョコボ」まで進化させなければならなかった。
その「海チョコボ」にするためには、まずは主人公が関係する牧場にいる「普通のチョコボ」と、捕まえてきた野生の「いいチョコボ」を結婚させ、卵をうませ。緑色をした山チョコボ、あるいは水色をした川チョコボをうみ出さなければならなかった……のだが。私は自分ができる限り、とにかく一番いいチョコボを捕まえてきて、何度も何度も配合した……にもかかわらず。私の牧場に生まれてくるのは、いつも普通の黄色いチョコボばかりだったからである。
困った私は、学校でゲームにくわしい同級生の男子に相談。その同級生男子は、海チョコボの一歩手前、黒いチョコボまで進化させたが、海チョコボはまだうまれず「きっと海チョコボが埋まれる確率はすごく低いんだろうな」などと言っていて。とにかく山チョコボや川チョコボがほしかった私は、同級生男子に話を聞いて、言われたとおりにやってみた。
しかし、やはり私の牧場には、普通の黄色チョコボしか生まれず。「どうだった?」「ダメだったー」を数日にわたり、何度も繰り返した結果。同級生男子は「どこのチョコボと配合させてる?××地方?……○○地方のチョコボを捕まえてきて配合しろ、そうしたら山チョコボか川チョコボができるから」などと言い始め。……それまで言われたとおりにしたのに何度も失敗したため、正直半信半疑ではあったが。とにかくその日、家に帰って言われたとおりにしたところ。とうとう緑の色をした山チョコボが、私のもとにやってきた。
私は気づいた。「……そうか、いいチョコボ、って言うから、私、できる限り一番いい、××地方のチョコボを捕まえてきてたけど……私が捕まえてきた××地方のチョコボは、最初の配合には『いい』レベルが高すぎたんだな?まぎらわしい。……でもたぶんだけど、今後、その××地方のチョコボが役に立つ時が来るんだな?」と。
そして順調に配合は進み、予想通り、実際にその××地方のチョコボが役に立つときも来て。私は無事、黄金色に輝く海チョコボをゲットし、目的であった最強の召喚獣もゲット。嬉々として同級生の男子に報告した。
「ありがとう、無事、山チョコボがうまれて、海チョコボと召喚獣ゲットできたよ!」と。
すると同級生男子は動揺し。「え?どうやって?何回配合した?」と言い始め。……私は気づいた。
「もしかして、黒チョコボと、○○地方とか△△地方のチョコボ配合させてた?海チョコボゲットするなら、黒チョコボとは××地方のチョコボと配合しないと、海チョコボダメっぽいよ?私それで、すぐ海チョコボできたし……」
……結果、同級生男子も間もなく海チョコボをゲット。最強の召喚獣をゲットしていた。
たまたまではあるが、互いに相手がいてよかった、いなければ海チョコボをゲットできなかった……お互いに一切恋愛感情的なものはなかったが、ある意味、あのひとときは奇跡的な関係だったな……と、今も思い出すたびに思う出来事である。
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おまけ
〜補足という名の書きたいこと〜
〜スーパーマリオカートについて〜
・実は攻略本も買ってもらっていて、そこに最初からある「50ccクラス」「100ccクラス」にくわえ「150ccクラス」を出現させる裏技コマンドがのっていて、私はそれで「50ccクラス」「100ccクラス」のステージを未クリア状態で150ccクラスを出していたため。余計にステージをクリアすることに意識がいっていなかった。その後、100ccクラスのスペシャルカップをクリアすることで、コマンドを入れずとも150ccクラスが出現すると知り、150ccのスペシャルカップもクリア、100ccクリア時と同様、スタッフロールを見ることに成功した。スタッフロールを見たのが購入から実に数年たってからのことだったので「マリオカートってスタッフロールあったんだ!」と、とても驚いた。
〜ロマンシングサ・ガについて〜
・「クリアしたとはいえ、1でそんなにいくつもイベントが途中で終わったのに、それはそんなに気にならなかったの?」と思われるかもしれないので補足すると。私はロマサガ2を先にプレイし「発生したイベント・シナリオをサクサクとクリアしないと、いつの間にかそのシナリオが失敗状態で終わっていて、治安が悪化している(アリを退治しなかったせいで人が滅びてアリの楽園になってた、など)」……という事態に何度も遭遇していたため。2でそうなら1もそうだろう、攻略本もないし、私の進め方が悪かったんだろう、とある意味で納得していた。しかし、私は別に悪くなかったのである。
・確認したところ、その1で集まらなかった宝石こと「ディスティニーストーン」は、ロマンシングサガ1の最新リメイクか移植作では、無事に全部集まるらしいので、集めたい方は集まる作品なのか確認したうえでプレイすることをおすすめする。
〜ロマンシングサ・ガ3について〜
・エレンを主人公にしてユリアンに捨てられた後、どうにかならないかとちょっとはがんばってみたが、どうにもなりそうもなかったので。結局ユリアンを主人公にしてやり直し、またほぼ同じオープニングを見た後、モニカの護衛の誘いを断ることで、エレンと急接近、エンディングもエレンとカプ寄りにする……ことに成功した。それでも未だにロマサガ3のユリアンを見かけると「あのときの恨み……!」と思い出すのである。
〜読み返したらこれ、ほぼ何かしらに裏切られた話だな……と気づきつつおしまい〜
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