おもいでぼろぼろ
〜ジルオール編〜
〜待望の通り名〜
あるときのことだった。私はプレイステーションの、Zill O'll(ジルオール)をプレイした。
もともと女主人公が選べて恋愛要素のあるゲーム……の一つとして見かけ。ある程度の下調べをしたため、プレイ前から、男女主人公が選べ、恋愛っぽいエンディングもある……など、いくつかのシステム的なネタバレを知っていた。
その一つが、冒険者の主人公が、冒険者としてのレベルが上がると「通り名」がつき、ときどきその通り名で呼ばれる、というもの。へーそうなんだー、どうせなら、かっこいい、憧れるような通り名がつくといいな!と、少しわくわくしながらプレイ。しばらくして、私の女主人公にも、とうとうその「通り名」がついた。
「炎の微笑」だった。
「え『炎の微笑』……?炎……熱い……。微笑……笑顔……。笑顔が熱い……笑顔が暑苦しいってこと!?」
それはもちろんそんな理由ではなく、通り名がつく時点で、主人公の魔法レベルの内、炎の魔法が一番高い……などの、主人公の能力値に由来するものであり。私の育てた主人公は、たまたまそれが「炎の微笑」に該当しただけ、という話ではあったが。
しばらくの間、ジルオールでの暑苦しい笑顔キャラ代表とも言える、勇者ガルドランの顔が、頭からはなれないという事態に陥ったのだった。
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〜自由の代償〜
あるときのことだった。私はプレイステーションの、ジルオールをプレイしていた。
一周目、私は女主人公……で選択できるオープニングシナリオの中から「地図にもない村」を選択。
女主人公が家族と小さな村で平和に暮らしていたところ、いきなり村の宝を狙った恐ろしい敵が襲来。村は燃やされ、主人公の兄は村や主人公を守るため、主人公を逃がして一人で敵と戦い、宝と共に行方知れずとなり。主人公は、兄の元相棒、親友を名乗る男と、兄を探して冒険者として旅立つことになった。
その後もいろいろあったが、私は自由に冒険者を満喫。無事に主人公と兄は再会し、宝も取り戻し。なんか主人公には稀有な才能?があったらしいということで、大陸を滅ぼしかねないラスボスを倒し、無事にクリア。女主人公は村で出会った兄の親友と、多少恋愛的な意味も含めつつ旅立つエンディング。……私の最初の目的は、すべて無事に達成した。
そしてとにかくクリアしたため、攻略本などネタバレを解禁。気持ちプレイ一周目の答え合わせをして、気がついた。
一周目の途中、冒険者ギルドから何度か受けた「戦争の傭兵」の誘い。私はそれを「人殺しはしたくない」とすべて断っていた。……が、実はその「傭兵」になり、選択肢や戦闘など、うまく立ち回らないと、命を救えないキャラが数多く存在。……知らぬ間に私は、一周目、エンディングのある顔見知りのキャラを、何人も見殺しにしていた。
……命を救うには、この手を汚さなくてはならないこともあると知った。
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〜とりかえし〜
あるときのことだった。私はプレイステーションの、ジルオールをプレイしていた。
一周目は無事に、狙っていたエンディングを迎え、二周目に突入。私はその二周目で、一周目ではできなかったことをしたかった。
それが「主人公の武器・剣を最強レベルにする」こと。
ジルオールは武器を強化するのに「素材」が必要だった……のだが、その素材はそこまでたくさん、頻繁にゲットできるものではなく。しかし、それを知らない一周目、私は仲間全体の武器をなるべくバランスよく強化しようと、素材を惜しげもなく使ったため、ゲーム後半には手持ちの素材が尽きてしまい。……結果、一周目で主人公の武器を最強レベルにすることができなかったのである。
そして二周目。無事、主人公の武器、剣を最強レベルにできた私は、さっそく戦いに行き、驚いた。
プレイステーション1の話なので今となってはいろいろと荒いものの、ジルオールの戦闘は3Dグラフィックで。戦闘中は装備している武器が3D描写されるのだが。……私が最大にまで強化したその剣は、巨大化。もはや剣と言うより、長すぎる棒高跳びの棒。自分の3倍、いや5倍以上はあろうかという、見上げんばかりの長さの、白い何かをふりまわす女主人公は、かっこいいというよりも、異様であった。
強くなりすぎた結果、取り返しのつかないことになることもある……と言う悲しい事実を知った出来事であった。
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〜のぞんだもの〜
あるときのことだった。私はプレイステーション2の、Zill O'll infinite(ジルオール インフィニット)をプレイした。
それはプレイステーション1ソフトのジルオールがリメイクされたものであり。グラフィックや音楽のみならず、元祖で容量不足などで没になっていたシナリオ、エンディングなどが大幅に追加されていて。その追加されたエンディングの中には、私がリメイク前からかっこいい!と思っていたキャラ、ロイの名を冠するエンディングもあった。
ジルオールはリメイク前から、オープニングの場所をどこにするかが選べ。それによって主人公の家族構成や出身地、オープニングシナリオなども変わるというシステム。
その私がかっこいい!と思っていたキャラ、ロイは、私がリメイク前の初プレイで選んだシナリオで、女主人公の兄にあたる人物。強くて優しく、頼りになりさらに顔もいいと、もちろん好みにもよるが、少なくとも私から見て、オープニング時点では非の打ち所のない、理想の兄。そしてジルオールは、リメイク前から、女主人公で迎える恋愛……っぽいエンディングもあったため。
その兄とのエンディングがリメイクのジルオールインフィニットであると知り、私は思った。
「うーん、理想を言えばこれからも兄と妹、力を合わせて、二人で故郷の村で平和に暮らそう、暮らしてるって形だと嬉しいけど……どうだろうなあ。兄妹だから私は恋愛的な展開とかは望んでないけど、顔もいいから、それなりに女性ファンからの人気もあるだろうし……。それにスタートによっては、女主人公でも別の出身、兄妹じゃなくなるから、それなら恋愛的な展開もありっちゃありよね?……まあ、他のエンディングみたいに、兄妹スタート時限定かもだけど……」と。
そしてしばらくして、私はロイとのエンディングを見た。
そのエンディングとは、女主人公の兄であるロイが旅の途中で出会った美女と結婚。冒険者の主人公は義姉となった美女を手伝い、各地に散らばったアイテム集めのようなことをしていて。……主人公はときどき家に帰ってくるが、基本は出かけていて、兄と美女は穏やかに、二人幸せに村で暮らしている……というものだった。
そこまでのストーリーを考えれば、そうなるのは別にいいというか納得とも言える……のだが。別に兄と美女を推しカプとは思ってなく、どちらかと言えば主人公がいい目を見るエンディングが見たい趣味の私としては「これ、主人公、新婚夫婦の召使いにされてるだけでは……?」とよぎってしまう、特にボーナス感を感じないエンディングであり。私はそれだけを楽しみにしていた……わけではないものの、期待外れとなって、少しがっかりした。
せっかく追加されたのに、なければなくてもいいエンディングもあるのだな……と思ってしまう出来事だった。
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〜気づいたこと〜
あるときのことだった。私はプレイステーション2のジルオール インフィニットをプレイしていた。
ジルオールではシンボルエンカウントが使用されていて、外マップをウロウロしているモンスターの姿が見える形だった。また、主人公が強くなると、モンスターも強くなるシステムでもあった。
そのため、初期にはドラゴンクエストシリーズで言えばスライム、ファイナルファンタジーシリーズで言えばゴブリンという初期に出会うザコ敵が見えていた地域のマップ……が。主人公が強くなった結果、ドラゴンクエストシリーズで言えばドラゴンやギガンテス、ファイナルファンタジーシリーズで言えばキマイラやモルボルといった、ラスダン周辺でしか見ないような高レベルモンスターがウロウロするようになり。
主人公が冒険者ギルドから「森に入って行方不明の一般人を救助する」という依頼を受け、救出に行ったときも「このレベルのモンスターがウヨウヨいる場所で、高レベルで伝説級の武器防具を装備した主人公たちがパーティ、複数で来るまで、一人で元気に生存できてるって、それはとてつもなく強い一般人では……?別に助けなくても大丈夫なのでは……?」とよぎるほどであった。
そしてそのシステムで、エンディングコンプを目指し何度もプレイしているうちに、思った。
「モンスターが強くなり、中ボスレベルがザコのようにうろつき始めるのは、主人公のレベルが上がったせい。……つまりこの大陸が滅ぶとしたら、原因って、わりと主人公の責任の割合、多めなのでは……?」と。
全部ではないが、ラストバトル後。強くなりすぎた主人公は、このままとどまっては利用されて不幸になりかねない、などという理由で、ゲームの舞台となった大陸から旅立つ……エンディングが多いのだが。これって、主人公が今後利用されず、まともに生活していたとしても、結果このシステムだと、存在するだけで大陸を滅ぼしかねないのでは……?と思ってしまう出来事であった。
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おまけ
〜補足という名の書きたいこと〜
〜通り名について〜
・私はよほど狙わない限り、何度やってもその通り名が「炎の微笑」になったので、同じような人は結構いるかもしれない。そして「勇者ガルドラン」は「こうは言ったものの、最近ガルドラン見てないから、思ったほどガルドランの顔グラフィック、暑苦しくないかも?」と思いつつ検索して見たら、思ってた以上に暑苦しかったので、気になる方は「ジルオール ガルドラン」あたりで検索して見てほしい。……ただし夢に出るなど悪影響が出ても、私は責任をとれないのであしからず。
〜インフィニットのロイエンディングについて〜
・PS2のインフィニットでは、一度見たエンディングは、本来特定のオープニングシナリオ限定だったり、性別限定のエンディングでも、別verのセーブデータを読み込むことで、一部で別verがエンディングリストで見られたりする。たとえば男性主人公限定エンディングなのに、グラフィックと名前が女性主人公状態で見られたり、本来○○町スタートの主人公限定だが、××村スタートの主人公状態で見られる、などだ。……なので、本来兄妹限定エンディングでも、兄妹でない状態で見ることもできたような気もした……が、ロイエンディングの場合、仮にできたところで、内容は同じなので、余計に救いがなくなるだけだった。
・ちなみに細かく言えばロイと結婚した美女とは「旅の途中で出会った」と言うより「前々から知り合いだった」ような気もしたが、少なくともゲーム中の主人公というかプレイヤーから見ると、もともと知り合いかどうかはわからず「旅の途中で出会った」状態なので、とりあえずそう書いておいた。
〜そう言いつつインフィニットのエンディング全48種コンプしたぐらいは好きですジルオール、と告白しつつおしまい〜
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