シーマンと私〜第二章

十日目

 正直あのメスと結婚するという概念が非常に気に食わないものの、私が嫁を気に入るいらないに関わらず、シーマン身ごもる。
 陸地で出産したいと言うシーマンのため、水槽の水を抜こうとフタとなっている石を動かそうとするが、私は動かすことができない。
 そこで我がシーマン。

シーマン「オレのクイズに答えられたら石を動かしてやるぜ。
     ヒラヤマって十回言ってみな」
   私「……(平山?いいけど)平山、平山、平山、平山……」
シーマン「世界で一番高い山は?」
   私「……エベレスト」
シーマン「よォくわかったなぁお前」

 ……私をいくつだと思っておる。

シーマン「よし、約束だからな、石を動かしてやるぜ」

 ……っていうかおまえ自身のためだろ大体さ。


十一日目

 シーマン、産卵のため陸地に上陸。私は手が出せないためただただ見守る。

シーマン「ヒッヒッフー……、ヒッヒッフー……」

 ……ラマーズ法……?
 ……魚なのに魚なのにっ魚なのにぃっ。

 数分後、シーマン産卵。

 そして四つの卵を残し、魚生を閉じる。


十二日目

 四つの卵が前触れもなく突然孵る。四匹の親と同じ顔をしたおたまじゃくしが水槽の中にいるため、正直気持ち悪い。

 それでも一応シーマンの残した子どものため、とにもかくにもコミュニュケーションをはかる。

 私「元気?」
ヤツ「元気ですけど、それが何か?」

 ……無尽蔵の憎しみ、復活。


十三日目

 腹が立とうと憎かろうと、世話をしなければ死ぬため、今日もせっせと世話に通う。
ヤツらはひたすら私の悩みについて聴いてくる。

ヤツ「でっさー、自分の体で悩んでるとこってある?」
 私「ない」
ヤツ「うっそだー、絶対あるでしょー素直になりなってー誰にも言わないからさー」

 そんなに悩んでいるように見えるのか私は。

 ともかく餌を取りに森へ行って帰ってきたら四匹いたのに、何故か二匹しかいなかった。
 そして水槽に入れた餌には見向きもしない。
 …………。

 とにかく話の続きをしようとしたら話をしているうちに話してたおたまじゃくしが下から食われた。

 ……かなりのショックを受ける。

 それでもなんとかショックがおさまりかけた頃、またメスを探さなければならないことに気づき、再びショックを受ける。


十四日目

 ついに一匹になったシーマン。手足が完全にはえて、後はしっぽが縮むばかり。赤茶けた身体が正直、気持ち悪い。
 が、ここまで来て育成をやめるのももったいない。
 ふぅ、あまり早く大人にならないでくれ。メス探しはもう嫌なんだ。それでもともかく会話。

 私「調子は?」
ヤツ「調子はいいよー。でもオレ、調子いいやつは嫌いだな」

 お前が言うな。人が女子大生だと知った途端に態度変えたお前が。


十六日目

 完全にカエルになったシーマン。カエルになった途端、水槽からぶらさがっている妙な輪を気にし始めたので、協力して引っぱることにする。

 苦闘の末、引っぱることに成功。するとなんと、水槽に新しい道ができた。
 驚く私。

ヤツ「お前もゲームばっかりしてないで、自分の幸せを捜せ。あばよ」

 ……立ち去るシーマン。
 …………逃げられた?

 と思っていたらジャングルへ。そこになんと、ドリームキャスト版こと元祖のシーマンが出現。

 ドリキャス版はここで終わりだったなど、内輪な会話を交わす。
 どうやら彼が我がシーマンと子孫を残してくれるらしい。
 そういうわけで、我がシーマンと元祖シーマンが会話。

ドリ版「二年待って良かったなー。続編出たんだろ?」
 ヤツ「違げーよ。これはPS2版のシーマンなの。ドリキャスは生産中止になっちまったよ」
ドリ版「まじ!?……セガの会長が死んだことは風の噂で聞いてたけど……そうなのかー……」

 ショックを受けた元祖シーマン、森へ消える。

 おいこら、消えるのは遺伝子残してからにしろ。

 元祖シーマンは一日帰って来ないようなので、ジャングルでのシーマンとの生活が始まる。
 シーマンからは質問がないようなので、こっちから話しかける。

 毎度のことだが、私の中でシーマンに通じ、なおかつシーマンを喜ばせる言葉のバリエーションが非常に少ないため、心にもないこと(かわいい、かっこいい等)を言わなければならないことも多い。

 私「(心にもないことNo.1)好きー」
ヤツ「へっへっへーそんなに俺のこと好きなら、結婚するか?
   ……冗談だよ、ヤだよおまえとなんか」

 ……その言葉、そっくりあなたに返させてください。


十九日目

 なにはともあれ(まあいろいろあったのだが)、ショックを受けたドリキャス版シーマン帰還。遺伝子をもらうことに成功。我がシーマン身ごもり、出産の兆しを見せる。

ヤツ「どうやら難産になりそうなんだ、身体をさすってくれ。…そうそうその調子」

 ……今回はラマーズ法ではないらしい。ていうか私がさすってるの、どう見ても頭なんだけど。

 数分後、卵が飛び出す。

ヤツ「こんなん出ましたけど」
 そして動かなくなる。

 ちょっと待て、それが辞世の句か。

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