シーマンと私〜第三章

二十日目

 ……我が杞憂にもかかわらず、ドリキャス版シーマンが出てきて、カエル型シーマンを連れ、共に森の奥へと去っていった。そして、森に残された卵から、イグアナが生まれる。

 が、一つ問題発生。
 この幼イグアナ。これまでと違い、餌をやる時しか話をきかねぇ。

 ……もしかしてイグアナになったらこっちが好物なのだろうか、好物あげたら上機嫌になって話を聞いてくれるとか、そういうシステム?と、これまで食べさせたことのない毛虫(刺されると指が腫れるらしい)を与えてみると、ヤツが病気になる。

 私「(しまった……どうすれば治るんだろ……?)シーマン、何が欲しい?」
ヤツ「……俺をいたわって欲しい」

 ごめん、それだけは無理。


二十五日目

 声変わりしたシーマン、例外はあるものの、やっとこっちの話を聞いてくれるようになる。

 私「(確かこれも通じたな……)今何時?」
ヤツ「マンシー?何だそれ」

 そっちこそ何だ。

 また、友人についての質問を受ける。

ヤツ「……でさ、お前、友達の嫌いな所ってどこ?」
 私「特にない」
(↑探せばあるかもしれないが、どうにも一言で言えるような要素が思いつかなかった)
ヤツ「嘘つけよー絶対あるだろ、お前だって人間なんだからさーあるって言ってみな」
 私「そう言われてもないものはないゆーに」
ヤツ「えー、本当かー、お前本当は友達いないんじゃないのか?
   ……ま、これ以上言うとお前に殺されそうだからやめとくわ」

 ……私より実在する友人に殺されてもしらんぞそれは。


二十七日目

 森にある川で泳ぎの練習をし、イグアナにもかかわらず泳げるようになったシーマン。
 行かなければならない所があるから海へ流してくれ、と頼まれる。

 ……泳げたところでエラ呼吸ができないのに海中は渡れないと思うのだが、本人がそう言うので、望み通り海へ落とす。

 海に入った途端、シーマンが思い出を振り返り始めた。……予想はしていたが、どうやらここでお別れらしい。

ヤツ「……まあ、俺もいろいろお前に言ったけど、
   それは別にお前が嫌いなわけじゃなくて、
   俺ってそういう性格だからさ」


 私「(妊娠中でだるそうなシーマンに対して)頑張って」
ヤツ「何をどう頑張りゃいいんだよ」

 私「(笑顔で嘘が言える自分を哀しく思いながら)好きー」
ヤツ「へっへっへーお前彼氏いないからなー寂しいんだなー……」

 私「(その日初めての訪問で、海に流したら死ぬカエル型に対して)元気?」
(注意・シーマンでは基本的に、海、水槽、エサ場しか移動可のフロアがない)
ヤツ「元気元気って、元気じゃねえときどう答えりゃいいんだよっっ」
 私「(……機嫌悪いのか……?)何が欲しい?」
ヤツ「自由が欲しい」

 私「(今いくつ?がこう認識されたらしい)ムカつくー」
ヤツ「へっへっへームカつけムカつけー」



 性格か、ほう……など言いたいことは様々あるが、まあ最後らしいので黙って聞き、見送ることにする。遠ざかるシーマン、その姿がどんどん見えなくなっていく。

ナレーター「…シーマンは旅立っていきましたね。
      長い間、何から何までシーマンの世話、本当にご苦労様でした」

……ホンットにな。


 ……こうしてシーマンは去り、約一ヶ月に渡るシーマンと私の共同生活が終了した。
 まだまだ他にもエピソードはあるが、それはもう自分で確かめて下さい。

 どうにも特に悩みもない、友人にあえて言うほどの不満もない、という私では、なかなかシーマンの憎らしさは堪能できないらしいです。
 もしいつか続編が出て、私の憎たらしくも可愛い……とは言い難いものの、まあ口の悪い奇妙な同居人が戻ってくることがあれば、その話と共に、再び日記にしたいと思います。
 それでは、シーマンの最後の言葉と共にお別れ。



ヤツ「あばよ。宿題やれよ。…人生のな」

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